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中国紀行

蘇州古園の旅ー20

上海に帰ろう 楽しければ時間が過ぎるのが早い。 帰りの列車の時間が近づいてきた。蘇州の市街地は結構渋滞する。駅までは歩いて 3、40分くらいの距離かなと思っていたが、車でも結局それくらいかかった。 駅に着いたがまだ1時間くらい余裕がある。今度は立ち席だから、一般の待合室だ。 さすがに帰りの席がないくらいだ。人で一杯、超満員だ。 「何時の列車?」と隣で待っている人が聞いてくる。チケットを見せると、 […]

蘇州古園の旅ー19

滄浪亭を心に刻む 「この横に建物があるやろ。昔ここが画の学校やったんや。勉強に疲れたら、この門を くぐってこちら側の滄浪亭によく来たもんや。それで飽きずにこの亭の雰囲気を眺めて いたんや」 「この木はなあ、昔は芭蕉と竹と梅の3種類がそろってたんや。もう芭蕉がなくなって しもたなあ」 「あっちの建物の中に、昔私が画いた画が残ってるで」 「見たいですね」 「今は入られへん」 老師の中に想い出が駆け巡っ […]

蘇州古園の旅ー18

蘇州古園、滄浪亭 蘇州の作家、沈復という人の「浮生六記」という本がある。 哀しい物語りだ。 風流や文学をこよなく愛する若い夫婦が、才能もあるし、人もいいし、努力も一杯するのに どうしても報われない。 どんどん、どんどん不幸になっていく。最後は愛する妻が病気になって、薬を買う金もない。 死んでしまって葬式をだす金も無い。 そんなに落ちぶれても、美しい景色を愛でて、詩を読む心はなくしていないというよう […]

蘇州古園の旅ー17

盤水門の露店骨董屋 「この水門のこの角度から見る景色を日本画の竹内栖鳳が画いてるよ」 さすがに老師は画の道には詳しい。 「私もここの風景は子供の頃、何度も何度も画いたよ」 「大作を仕上げて、○○というところに飾ってもらったこともある」 成る程、老師の水墨画の課題にこの水門が出て来たことがある。 いろいろ画にまつわる話をしながら感慨深く水門の周りを歩いていたら、中に入ってちょっと 回り込んだところに […]

蘇州古園の旅ー16

蘇州古園、盤水門 寒くなってきたので、入り口の門の方に引き返していたら、番人のような人が来て、 「門を閉めるから早くでろ」という。やはり本当は閉じているんだろう。 それにしてもパラパラではあるがこんなさびれた所に見物客がくるというのが面白い。 車に乗ると温かさが有難い。 車は「盤水門」に向かう。有名な楓橋夜泊の楓橋や寒山寺、拙政園などは前に蘇州に来た時 に行った事があるから、今回は別のところに行こ […]