最近夢中で読んだ本、沢木耕太郎、平野久美子

  • 2010年1月19日
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沢木耕太郎、「イルカと墜落」
やっぱりこの人の旅の話は面白い。
今回はブラジルが舞台になっている。
リオ・デ・ジャネイロやサンパウロを起点にして、アマゾンの奥地に行く旅だ。
途中にマナウスというところがある。懐かしい名前だ。それで地図を見ていたら
えいら奥地にある。私は行かなかったが、現役時代、仕事の同僚が行っていた事がある。
こんな奥地で苦労していたんだなあと思った。
話は更に奥地、コロンビアやボリビア、ペルーなどが国境接する最上流のあたりだ。
このあたりに住む原住部族の人達とコンタクトしている人がいて、その人を取材する
旅と言う事だ。
あまりにも外界と接触しないで来た人達だから、一旦、安易に外界と接触してしまうと
簡単に部族全体が滅びてしまうそうだ。
だから、できるだけ外界と接触しないでそっとしておけるよう、いろんな国際的な
組織に働きかけて護っている人達がいる。そのリーダから話を聞こうというのだ。
ピンクのイルカと一緒にアマゾンを遡航する話。
現地に向かうセスナがあろうことか墜落して九死に一生を得る話。
わくわくする。
しかし、アマゾンでも、チベットでも、西アジアでも、少数民族は厳しい目にあっている。
文明に呑み込まれて同化していくのが正しいとは限らない。
日本のアイヌもそうじゃないか。

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平野久美子、「中国茶 風雅の裏側」
中国によく旅行に行って思う事がある。
確かに物価は安い。最近はだんだんモノが高くなってきたけれど、それでも日本よりは
割安感がある。
特に紙や筆、墨、硯など文房四宝などはそうだ。かなり値打ちのありそうなものでも
日本で買う時の感覚からすれば安く感じる。
しかし、骨董品と茶は高い。
骨董品は万国共通だからしかたないかもしれない。
しかし、茶は、安いのもあれば、信じられない程高いのもあって、何がなんだかわからない。
なぜだ。
それでこの本を読んだ。
わかってきたのは、やはり、作られたブランドイメージに踊らされているということだ。
武夷山の大紅袍や洞庭湖の君山銀針、杭州西湖の龍井茶などだ。
確かにおいしいけど、製法、茶葉、摘まれた時期などなどを厳選したということで
希少品となってしまい、昔からの高名な産地の茶がどんどん値が上がってしまうのだ。
そのまわりに偽物や紛いモノや似て非なるモノが一杯あって、消費者には本当はどれが
どれなのかよくわからない。よっぽど知識がないと騙されてしまいそうだ。
それに、普耳(プーアル)茶などは古ければ古いものほど良いということで、茶の味よりは
投機の対象になってしまった面もあるようだ。
何十万円、何百万円もかけて1餅の茶を買っておいて、値上がりを待ってもうけようという
話らしい。
安くても美味しい茶は多いのだから、自分で飲んでみていいなと思うものを納得して買うしかない。
それに、やっぱり知識が伴わないといけない。
難しい世界だ。

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毎週、火曜は最近夢中で読んだ本の話です。