「ありゃあ、案内のパンフレット忘れて来た。どやって行ったらええんかわからへん」
「確か阪神電車で○○ライナーに乗り換えるんやったはずやけど」
阪神の駅まで行ったらわかるやろ。と思ったら、乗り換えは書いてない。
「電車に乗ったら、放送で言うやろ」いつものええかげんさで電車に乗った。
直通特急とかいう電車に乗った。この時間だとゆうゆうと座れる。「なかなか快適やんか」
「次は魚崎」というアナウンスで、「六甲ライナー乗り換え」って言うてる。
「そやそや。六甲アイランドにあったんや」やっと思い出した。
六甲ライナーというのは初めて乗る。一番後ろに乗ると展望席に乗ったように見える。
正面に六甲山だ。空は晴れて稜線がくっきり見える。その下に六甲の街が広がっている。
「ゆっくりと川を渡っている」と思ったら海なのだ。
「アイランドセンター」という駅にくると殆どの人が降りた。「どやろ?」と思いつつ、
「終点やったはずや」と勝手に思い出したつもりになっている。終点のマリーンパークに着いた。
どうもおかしい。「何もあらへん」、駅員に聞いて見た。笑いながら、「一つ手前で降りて下さい」
と言われた。「これ戻りますか?」と聞きながら、結局来た電車で折り返した。
「大したロスではない」と自分に言訳しても誰も聞いていない。
改札を出ると、小さな看板があった。「ゆかりの美術館」は左に行けとある。
左に行くと大きな建物の2階だ。「こっからどうすんや?」とあたりを見回すと、「右に行け」
とある。右に行こうと思っても突き当ってなかなか右に行く道がない。ずっと奥まで行くと
右に行く通路があった。そこから又、建物一つ分移動すると又広い場所に出た。
「どこ?」と見ると、下に行けと書いてある。ぐるぐる回ってやっと辿り着いた。
『神戸ゆかりの画家達「煌めく和様の美」』というのをやっているのだ。
最近いつもお願いしている表具師の人に、「良い展覧会ありますよ」ということでパンフレットを
もらっていたのでやっとここに来たというわけだ。
日本画家の特集であるが、水墨画もある。
水墨画が日本画の一ジャンルであるというふうに位置付けられていつ頃からなのだろう。
明治の初め、東京美術学校を興した岡倉天心が、フェノロサなどの薦めで、中国の真似をする
水墨画より、日本本来の日本画を主流にすべしという推進をしたので、だんだんと水墨画や南画が
人気がなくなっていったという話を聞いた事がある。嘘か本当かは知らない。
しかし、水墨画の本来の技術を磨いて洗練させていくと言う行いが、日本ではだんだんと廃れていって
いるのは間違いないことだと思っている。
折角日本で、古来から、素晴らしい水墨画が描かれきたというのに、その基盤となっている技術が
きちんと伝承され学ばれていなかったら、それらの人達に申し訳ないではないかと思ったりする。
そうは言うても、日本画家も水墨画を描いている。
名のある人、上手な人が描いた作品をじっくり見ていると勉強になることは確かだ。
いろいろヒントを頂いたりもする。
沢山見て、眼と心と腕を肥やしたいものだ。
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