恐るべし4百年の味、川端道喜

「京都の笹じゃないと、香りが出ないんですよ。でも今年は、笹が手に入りにくくて・・」、「笹の花が咲いたんですよ」、「それで、仕方がないので、中は京都の笹で、外は信州の笹を使ってるんです・・」。
「道喜の店は、応仁の乱の時に疲弊した天皇家に毎朝かかさずに朝がれいを献上しつづけた店なんです。それで、その為の道喜門というのまで造っていただいたんです」、「うちは、店を大きくしないで、伝統の味をずーと守っているんです。大変ですけど・・」。
450年の伝統を守るおかみさんの思い入れは果てる事がない。
たかが粽、たかが餅菓子、たかがおはぎと言うかもしれないけれど、食べてみて、確かにこういう味は歴史の中に消えていって欲しくないと思った。
確かにグローバルな世の中になって、外国からも大量にいろいろなお菓子や材料、それにまつわる技術がやってくるし、世の中の好みも変わっていくのは間違いないし、そんな中で、消えていくものもあれば勢いを得るものもあるのは十分にわかるけど、やっぱり、なくなって欲しくないものがある。
日本の文化の中で、情緒とか洗練とかで表される部分、隠し味とかいわずもがなとかで表現される気分、侘びとか寂びに通じる心、そういった独特の精神的な世界を彩るものが、どういう材料をつかってどういう風に形作られるのという一つ一つのあらわれとして、こんな風にあるのだとしたら、それを何らかの形で残っていて欲しいものだと願うばかりだ。
通りすがりで、ものを買っただけで大きな事を言える立場ではないが、やっぱり京都には良い伝統が残っているなと感じた次第であった。

水仙ちまき
確かに笹の香りと葛の繊細な味、歯ざわりがミックスして本当に上品な食べ物になっている。これを、どうのこうのというようりは、「ああ、こういうものなんだ」と頂く気持ちになってしまう。

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おはぎ
正式にはなんというかわからないけれど、程よく、奥深い甘さがあって、甘党ではない私にも、「成程!」と思わせる味でした。

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