エリック・ドルフィ、「OUT TO LUNCH」

  • 2007年10月11日
  • 音楽
  • 4人

男が画を描いている。なかなか構図が決まらない。
ひたすら、筆を紙にぶつけるが、味のある形にならない。老師の描いているのを見ていると、実は画は既にそこにあって、老師の筆がそれをなぞって拾い出しているように思える。
あせる。こういうのを描いてやろうという強い気持ちがないとだめだ。
おだやかだけど緊張を持続させるリズムが必要だ。時には力強い変化も。
明るいきらめく様な光が必要だが、あくまでも抑制されてコントロールされていないといけない。
音楽が気分をつくるとしたら、今日はこの1枚。
「OUT TO LUNCH」エリック・ドルフィが奏でるJAZZの名曲だ。
音楽が心地よくしみわたったとしても、それで好い画が描けるというものでもない。
それはそうだったとしても、時間の過ごし方としては好いものだ。
少し疲れたから茶を飲もう。
中国茶には旅の思い出がからまっている。ドルフィのバスクラリネットとバイブの硬質な音との絶妙のコラボレーションが、心地よい思い出だけを拾い出してくれたら、そういう時には、こういう時間があってもいい。

outtolunch

毎週木曜は映画や音楽、書画に関する話です。