ある日、郵便受けを見に行ったら、えらい大きな封筒が入っている。
「何やろ?」とよく見たら、こないだの人間ドックの結果が帰ってきたようだ。
しかし、普通は小さな封筒で来るはずやから、ちょっといやな予感がした。
やっぱりそうだ。
胃のレントゲン検査で何か隆起物があると書いてある。それで精密検査をするように
という指示だ。大きな封筒はその写真という事だ。
「ありゃあ」
こんな事今まで初めてだ。何十年も健康診断を受けてきて一回も引っかかった事はない。
大酒を飲むわけではないし、食い過ぎ暮らしをしているわけでもない。
仕事が忙しくてストレスが一杯というはずもない。
だから、「健康には自信がある」と思っていたが、実際、それには何の根拠も無い。
こういう現実を目前にするとよくわかる。
「しかたないなあ」と胃カメラの予約を取りに行った。
そして当日、「不安やなあ」と思いつつ参上。
「心配ないですよ」と慰められながらも体は硬い。
「まず、胃の中をやわらかくして中が良く見えるように注射をしましょう」、「はい」
「この薬は喉に麻酔をする薬です。口に含んで飲みこまないように」、「はい」
だんだん口の中がしびれて強張ってきた。それだけで気持ち悪い。
「それでは横になって、楽にしてください」
スプレーのようなものを口のなかにかけている。マウスピースを嵌められた。
ファイバースコープの先が見えた。「いよいよ来るな」
口の中にぐっと差し込んでくる。思わず、「うっ」っとなる。
「力を抜いて、ゆっくり息をして」と声がかかる。
必死で、しかもゆっくり息をしていたら中にぐぐっと入って来るのがわかる。
ぐりぐりしている。「写真をとってるのなあ」、更にぐりぐりしだした。
「はい終わりましたよ」と言いながらファイバスコープの先についた何かを、看護婦
さんが持っている容器に入れた。組織検査のサンプルだそうだ。
「慢性胃炎があるのと、ポリープが一つありますね」、「多分悪性ではないようですよ」
と言ってくれた。
口の中が麻酔薬で固まって、気持ち悪いし、ちゃんと物が言えない。
「ありふぁとう、ごふぁいました」これで安心だ。
これらはお腹にも十分気をつけた暮らしをしよう。
胃カメラ初体験
- 2010年1月10日
- よもやま話
- 2人