八海山を飲みながら三峡を想う

今日の酒は八海山。そろそろ日本酒がおいしい季節だ。
この酒は一本筋が通っているというか、変わらないしっかりした味造りで、
好感がもてる。安心して飲める酒の一つだ。

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飲んでいるうちに、映画「長江哀歌」のことやら、三峡旅行のことやらを想い出してしまった。
映画は、ダム建設で、沈んでしまう町、壊れていく生活、壊れていく人生。
取り壊しの労働がある。一杯の酒がある。
バイヂュウ、映画では「李太白」だ。
ここは、詩の国。李白 曰く
朝辞白帝彩雲間 千里江陵一日還 両岸猿声啼不尽 軽舟已過萬重山
両岸の急峻と悠久の長江の流れが目に浮かぶようだ。

日本酒にはバイヂュウのような鮮烈さはない。厳しい酔いを誘うものはないが、
穏やかな憩いがある。
かの国の営みには、かの国の酒があうし、この国の営みにはこの国に酒があうのだろう。

茶は「巫山霧雲」、飲んだことはないが、この地の茶か。
霧雲と名のつく茶は中国各地にある。霧のある気候と水分が茶をおいしくするのだろう。

ダムで通過するための水路に並ぶ船。
水が満たされて、上流に行ける。

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小三峡の入り口。映画では更に水位があがっている。

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毎週金曜は映画や茶に関する話です。