ロバート・ファン・ヒューリック、「東方の黄金」
すごい異色の作者です。駐日大使も勤めたオランダ生まれの外交官。
それで、東洋の事にも造詣が深いのでしょう。
江戸川乱歩とも交友があったそうです。
舞台は、唐の時代の中国。山東省の東海岸。今の青島あたりでしょうか。
ディー判事の活躍は実に面白いです。
中国の風習や、いろんな物語が足場になっていて、それが、中国らしさを醸しだしています。
謎解きも新鮮で、中国らしさを愉しみながら時代や場所を越えた面白さがあります。
この人の作品、しばらく追いかけて見ようと思います。
堀口大学訳、「アポリネール詩集」
若い頃は、こういう詩集を読むのは正直はずかしかったです。
何やら、甘い言葉だけをもてあそんでいるようで・・
この年になって読むと、なかなかいいです。ちょっと甘いけど。
ミラボー橋
ミラボー橋の下をセーヌが流れ 我らの恋が流れる
私は思い出す 悩みのあとには楽しみが来ると・・・
今となってはシャンソンの名曲。
雨がふる
思い出の中でさえも 死んでしまった女達の声のような
雨がふっている・・・・・
こんなのもいいです。
これが前衛でなければいけなかった時代もあったのですね。
隔世の感がします。
毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。