メアリー・スチュアート、「銀の墓碑銘」
最初は、ようわからん内容やなあ、もひとつ入っていかれへんなあって違和感を持ちつつ
読んでいたら、途中から俄然惹き込まれた。わしの見込み違いであった。
とても面白いミステリーではないか。
カミラ・ヘイヴンはイギリス人で女学校の古典語教師、25歳。夫フィリップとはうまく
行ってないようだ。このギリシャへの旅も1人で来たようなのだ。
孤独な旅。
友達に手紙を書く。「しょせん私には何も起こらない」
虚しい旅。
旅の終盤を迎えて、デルフィに行っておきたいという気持ちがつのる。
しかし、適当なツアーバスがないようだ。車があったらいいのに。
虚しい気持ちでお茶を飲んでいたら・・。
突然現れた男が車のキーを強引に渡そうとする。
「あなたに頼まれた車がやっと調達できた」
「あなたは何がなんでもデルフィに行かないといけないと言った」
わけわからんことになってしまったけど、結局車に乗ってデルフィに向かうことに。
そして事件が?
サイモン・レスターに出会ったのは果たして偶然か?
サイモンの兄はどうして死んだ?
アンゲロスとは何者なのだ?
御者像を巡る謎とは?
デルフィの遺跡にヒントはあるのか?
謎が深まる。
少しずつ謎が解ける度に闇が深まる。
一体何があったのか?
これから何が起きるのか?
とても面白い。
馳星周、「ゴールデン街コーリング」
若手作家の胎動著しき頃、ゴールデン街がもっともゴールデン街らしかった
時代にひりひりする時間を過ごした著者の、最初で最後の自伝的青春小説。
てな言葉にまんまと乗せられて読み始めた。
作家志望の坂本は新宿ゴールデン街のとあるバーでアルバイトを始めた。
「日本冒険小説協会公認酒場」と銘打ったバー〈マーロウ〉だ。
伝説のマスター、斉藤顕を慕って夜な夜なマニアックな客が訪れる店だ。
文芸談義に客もバーテンも夜が明けるのを忘れるほどだ。
しかし、マスターはとても酒癖が悪い。機嫌が良いあいだはちやほやしてくれ、
飲みにも連れて行ってくれるけど酔っ払ったら大変、地獄が待っている。
自分勝手で横暴で乱暴だ。
何度もえらい目にあってるけど、なかなかやめられない。
そんなある日、放火事件が。
バブル期の頃だ。立ち退き地上げが横行した頃だ。
店の常連「ナベさん」が立ち上がった。何とか放火をやめさせよう。
犯人を見つけよう。
そしてあるひ、ナベさんが殺された。
犯人は誰だ。
ゴールデン街を巡る話はとても面白い。
まさに青春グラフティだ。
しかし、いかにもというところが鼻につく。
わざとらしいところが鼻につく。
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ありがとうございました。