最近夢中で読んだ本、カズオ・イシグロ、土屋賢二

  • 2008年3月11日
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カズオ・イシグロ、「浮世の画家」
日本人が英語で書いた本で、翻訳されたものだというのが信じられません。
翻訳がうまいとかいう話ではなくて、描写の力が言葉の違いを超えているのだと思います。
他の作品でイギリスを舞台にしたものも、どこにもあるようで実はいかにも
イギリスらしい風景画浮かんできました。
上海を描いた作品もそうでした。上海のどこかであってどこでもなさそうな
それでも確かに上海らしい街が心に浮かびました。
これは日本です。いかにも隣町にありそうな普通の町が描かれています。
主題は重いです。
信じて生きた価値観が敗戦でガラリと崩れてそれ故にそれを否定して
生きざるを得ない心の哀しみでしょうか。

土屋賢二、「ツチヤの口車」
あまりにくだらないので、こんなんで笑うまいと思うのですが、
これでもかという冗談の洪水につい笑ってしまいます。
「恐怖!!身の毛もよだつ理屈の数々!・・・」
という帯に引かれて買いました。

面白い本です。

hon080311

毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。