「イーグルス」大阪ライブ

「えらい人やなあ」地下鉄から大阪ドームまで、只々人の波が続く。
しかも平均年齢が高い。
「わしがおっても全然違和感ないわ」
さすが大阪ドームだ。いつもは野球を観戦する人達が沢山くるのだろう。駅も、道路も
建物も、これだけの人間を何の違和感も混乱もなく自然に捌いている。
人、人、人の塊のなかをとぼとぼと歩いていたら自然に席までたどりついた。
今回は昔からの友人達二人と一緒に来た。いつまでもこういう気分を共有できる友人がいる
のはありがたい。
外野席の一番奥にステージがある。遥か彼方だ。
野球場というのはこれだけ人を収容できるのか。
それはええけど、野球場という雰囲気が人を落ち着かなくさせるのだろう、中々集中しない。
ざわざわしながら始まったが、真っ暗になって、聞きなれた曲が流れ始めると、
徐々に静かになっていった。
「カリフォルニア」サウンドだ。
ブリティッシュロックとも違うし、リズムアンドブルースとも違う独特のカントリーぽい味がある。
ロスも郊外にでるとすぐに砂漠がある。街から海岸を通って椰子の木や芭蕉の木の下を
ゆるく曲がりながら車を飛ばす。
或いは、ロスから国道5号線をまっすぐ南にサンディエゴまで走りに走る。更にメキシコまで、
そういう高揚感がだんだんと湧きあがってくる。
カリフォルニアは殆ど雨がふらない。
乾いた空気の中で太陽がどこまでも明るい。
「出た」ステージにあのホテルカリフォルニアが大きく映されると、サックスのイントロが
始まった。
「えらい早い出番やな」
「疲れたできへんからか?」
どんどん気持ちがもりあがってくる。
体も前のめりになってくる。
しかし、
どうも後ろの方がうるさい。
野球場でわいわい言いながら野球をみているように、大きな声でちゃちゃを入れながら演奏を
聞いている。
「やかましなあ」どうも集中できない。
確かに大音響で演奏されていて、その音に比べたら小さいものだが、人間の耳はよくできていて
いやな音はちゃんと聞きわけて、それで気になってしょうがない。
「いくらなんでもマナー悪いで」とうとうがまんできなくなって、
「すみません。静かにしてもらえませんか」勇気をだして言ってしまった。
聞こえたかどうかはわからない。若干静かになったような気はする。
さて、休憩をはさんで更に盛り上がってきた。
「60過ぎても元気やなあ」
歌もギターもカッコいいのだ。
とうとう、最後の曲、「Desperado」
「これはええわ」、友達も、「CDよりええで」
何十年の月日がこの曲に深さをつけたのだ。
「やっぱり、この人たち、何か持ってるわ」
「イーグルス」という名で、何十年も人を惹きつけてきた何かを見せてもらった。

・・・・
Desperado
Why don’t you come to your senses
Come down from your fences
Open the gate
It may be raining
But there’s a rainbow above you
You better let somebody love you
You better let somebody love yo
Before it’s too late
・・・・・
最後にこんなのを聞いてしまったら、このまま帰れない。
幸い友達も一緒だし、酒をのんでこのかたまりを吐き出さなくては。

eagles110310

毎週木曜は、映画、音楽、書画に関する話です。
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