「えらい美しいお菓子や」
「透き通ってるわ」
大阪から長躯、京都の下賀茂まで行って買った来た「花びら餅」だ。
正式には、裏千家で初釜に用いられる「御菱葩(おんひしはなびら)」と
同じものを少しだけ市販するという事で、「試餅(こころみのもち)」と
いうそうだ。
12月の初めに予約して暮れになったら貰いにいく。
「まあ由来は大変なしろものだ」何百年の伝統の技と味がずっしりと
のっかっているのだ。
この透き通る薄い白とピンクの餅の中に牛蒡と萌黄色の餡が入っている。
一気に食うのが惜しいが、思い切って真ん中で切ると中から透明な餡が
どろりと流れでてくる。
やっぱり抹茶が要るだろう。
それで、ぱくっと口に入れると。
「これほど上等なものなのか」と思わず言ってしまいたくなる。
歯触り舌触りは極上の滑らかさだし、味はほんのりと甘くて嫌味がまったくない。
こだわりぬいた材料を、伝統の技で丁寧に、手間暇かけて作ったのだ。
超人気の高級ケーキの味と比べても、好き嫌いはあるだろうが、洗練という事では
はるか上をいっていると思える味わいだ。
残った餡も拭い食べて抹茶をゆっくり味わう。
人工のものは全くない。全て自然のものだ。
一個1500円。
スローフードというには余りにも高価だが、こういう伝統の技と味はなくならずに
続いて欲しい物だ。
川端道喜の花びら餅
- 2010年1月3日
- 甘い物・パン・喫茶等
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