画から音楽が聞こえる気がする時がある。
怒涛のような激しさであったり、雄大な響きであったり、悲しみに満ちた
音楽であったりする。石濤の水墨画などは、静寂だ。静謐な静寂が
立ち込めて、せせらぎや鳥の声だけが聞こえるかのようだ。
そんな音楽を感じさせる画を画きたいものだが、なかなかそうはいかない。
レコードを見ていると、ムソルグスキーの「展覧会の絵」というアルバムが
あった。ムソルグスキーが友人ヴィクトル・ハルトマンの遺作展によせて
書いた組曲だそうだ。
こびと
古い城
チェイルリーの庭
ブイドロ ポーランドの牛車
卵の殻をつけたひなの踊り
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ(金持ちのユダヤ人と貧しいユダヤ人)
リモージュの市場(言い争う女たち)
カタコンブ(ローマ時代の墓)
パーバ・ヤーガの小屋(めんどりの足の上に立つ小屋)
キエフの大きな門
私の好きな田舎の田園の牧歌的な風景が描かれてる。
管楽器の音が実に印象的だ。
それぞれの風景が目の前に浮かんでくるかのようだ。
豊かな自然があって、人の暮らしがあって、いろんな人たちの語らいがあって、
動物がいて、旅があって、
こんな風に音楽が聞こえる画を描いてみたいものだ。
このアルバムは原曲のピアノ曲をラヴェルが管弦楽曲に編曲したものだが、
私は管弦楽曲の方が好きだ。
そう言えばこの曲はロックでも演奏されていた。エマーソン、レイク&パーマーという
バンドだ。又、聴きなおしてみなくては。
毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。