「晴れの日の木馬たち」
原田マハ 著。
「書いて、書いて、書きまくらなければ」
私も、ヴァン・ゴオホみたいに。
紡績工場で働く少女が、作家になるまで。
山中ステラ、紡績工場の寄宿舎に暮らしている。
工女だ。いきなり重い現実。
荒物の棒手振りで必死に働いていた父も病に倒れた。母は、幼い頃に出奔してしまった。アメリカ人宣教師、アリスに、教会に、救われ、ここまできたのだ。
頭の中には物語があふれて、はちきれそう。
いつか、これを紙に書く。かならず。
朝から晩まで紡績機械に貼り付く暮らし、それでも、頭の中の作文ノオトは膨らんでいく。
いつかチャンスが、がんばれ、おすて。
そして、とうとう。会社の文化祭に出してもいいという許可がでた。
チャンス到来。大チャンス。
「回転木馬」が本になった。私家版ではあるが。
工場の中で作家が誕生? もっと書こう。沢山の人が応援してくれてる。
しかし、転機が・・工場を出る日が・・いつかこの日が・・
がんばれ、おすて。
こんどは、女中奉公。多嘉子お嬢さんが小説を。
そして、大事件。お嬢さんに何が起きたか。絶体絶命のステラ。
とうとう追い出された・・・ そして東京へ。重荷を負って。
常和田伊作という作家。謎の作家。書生になれた。
とうとう作家になれるか。
がんばれステラ。
とても面白い。
そしてとうとう、その日がやってきた・・・
夢が叶うのか・・・
ええですなあ。

わしの勝手なお勧め度。
星四つ半。
「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」
シーグリッド・ヌーメス 著
「久しぶりに会った友人。その不穏な頼みとは」
ある日、親しい友人から、癌で苦しんで死ぬのはいやだ。自分で決着をつけたい。その時は、1人ではいややから、一緒に居てほしいと頼まれる。
こんな話。
厳しいですなあ。オロオロするなあ。
昨年秋。親しい友人からメールがきた。
あした手術をする。脳腫瘍の厳しい手術なんでもう会えなくなるかもしれん。世話になったなあ。なんて、内容。愕然とするではないか。
それからずっと、音沙汰がなく。とても心配してた。
暮れになってとうとう、家族の方から、訃報が入った。
この歳になったら、訃報やら服喪の話はいくらでもある。
古い友人と飲み会やったら、病気の話と誰それが死んだという話題ばっかり。
そんなんを肴に酒をのむ世代になってしまった。
若い頃は胸が張り裂けそうな気持ちで親しかった人を見送ったことが何度かある。
耐え難い哀しみである。
死の病と戦う人を見舞ったこともある。
どんな場合にも、心構えなんか出来てた試しがない。
うろたえるばかりだ。
自分が癌にかかったときも。幸い、手術だけで切り抜け、厳しい治療の必要もなかった。そんなときでも、もし、自分が死と向き合わんとあかんようになったら、覚悟ができてるかと自分自身に問うなら、まったく駄目と答えるしかないと悟った。
こんなことも、本で読んだらあんまり実感わきませんなあ。
なんだか、映画化が前提でできてるような話にも思えなくもない。
ザワッザワッとしつつ読んでしまった。
もっと心の修行をつまんとあきませんなあ。

わしの勝手なお勧め度。
星三つ半。
にほんブログ村
