最近読んだ本、「まずいスープ」、「太陽の棘」

  • 2014年8月6日
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戌井昭人、「まずいスープ」
ちゃらちゃらしたおやじとようわからん息子となんとなく軽ーい話のような、
出てくる人たち暮らしぶりと会話の適当さかげん、調子よくへらへらと流れて
終わってしまうんかなあって思って読んでたら、だんだん引き込まれていった。
実はとっても非日常なのに淡々と流れる日常のように描いたり、時には日常が
非日常だったり、結構シュールな世界な世界やんかと感心した。
そういう世界をあっちにいったりこっちにいったり、美文、名文とは違うけど
普通のことの描写が見事やと思う。
人生について深く考えさせられたり、世の中の不条理について憤りを感じさせ
られたりはしいへんし、こんなに軽くてええんかいなって思たりもするけど、
読み終わって不思議と爽やかな気もするような本であった。
他の本も読んでみたいなあ。

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原田マハ、「太陽の棘」
この人の絵画の話はすごく面白い。読んでてわくわくする。作家の美術に対す
る愛情がふつふつと伝わってくるようだ。
戦後すぐの沖縄。まだ日本に返還されてない頃の話だ。
よう考えたら、沖縄が日本に返還されたってそんな昔の話やないのだ。わしが
学生の頃は沖縄から来た友人は留学生だった。まだ、パスポートが必要だった
時代だ。当たり前のように今があるけど、ごく短い期間に実にいろんな事があ
ったのだ。
話は、戦後すぐの沖縄。駐留米軍の一員として主人公が赴任してきた。
あるひふとした事で、ニシムイ美術村と言うところに紛れ込んでしまった。
そこは沖縄人の芸術家村であった。
彼らの絵に主人公は感動する。なんという力強い絵なんやろう。なんという心
を打つ絵なんやろう。一気に惹きつけられてしまった。
彼らは決して素人ではない。東京芸大で学んだり、アメリカ留学をしたりした
プロの画家達だ。しかしこの時代を生き抜くにはあまりにも厳しい試練が次々
と襲い掛かってくるのだ。
実話を元にした作品らしい。ニシムイ美術村の人たちの絵って見たくなった。

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ありがとうございました。