「砂の器 映画の魔性」。
樋口尚文
「観客はなぜ感動したのか」
わしは、つい最近の映画の再放送をテレビで見た。
もっと、ずっと前にも確か、見たことがあったけど、すっかり忘れてた。
そしてやっぱり、あの場面。
和賀英良がピアノを弾きながら管弦楽の指揮をする。
ピアノ協奏曲的な、「宿命」。先に音楽に惹き込まれていく。
どんどん盛り上がる。美しもドラマチックな曲が流れて行く。
いつしか、画面は、本浦千代吉と秀夫のさすらいの旅に・・・
病と貧しさに打ちひしがれた父と、まだ幼い少年の旅だ。
汚い病人・・物乞いの乞食・・宿無し・・盗っ人・・
追い出され・・ いじめられ・・・ 石を投げられ・・
逃避行。
何から?
桜吹雪の中を・・・ 日照りの海を・・・ 秋風に追われ・・・
吹雪に迷い・・・
彷徨う日々を音楽が追う。
目と耳と脳内で、心が強烈に揺さぶられるという仕掛けになっている。
単純なわしは、ついつい涙を流してしまう。
この本を読んでよくわかった。
野村芳太郎と橋本忍の企みにまんまと載せられてしまっていたのだ。
ほんまに、すごいですなあ。
ミステリー自体は今となってはかなり古臭いもんやのに、この企み、この仕掛けはほんまにようできてるではないか。
未だに泣ける。
映画を見るのは好きやけど、どうやって映画を作っていくのかというのは全く知らんかった。原作を忠実に再現していくのが基本やって思ってたけど、えらい違いだ。
これも一つの創作活動なんですなあ。
すごいもんだ。
特に音楽がすごい。
このために一つのピアノ協奏曲みたいなのを創ってしまうなんて。
それに加えて、鉄道やら、街の風景やら、田舎の風景・・・
心の動き・・・
次々といろんなものが、企まれて、生み出されいく・・
とても面白い。
本を読むのとは、全く別の世界。
とても面白い。
一気に読んでしまった。

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星四つ半。
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