「言葉のトランジット」。
グレゴリー・ケズナジャット 著
「旅に出かけて、見えてきた景色。英語と日本語の間を行き来する」
今回のちょっと不安な、久しぶりで期待に満ちた、ややこしい気持ちの中国の旅の間、ずっとこの本を読んでいた。とても魅力的なエッセイ集だ。
前は中国語をほんの少し喋れたけど、今はもうすっかり忘れてしまった。旅の途中、突然、話しかけられたりして、何も考えずに返事ができたりしたときはとても嬉しい。
やっぱり言葉を通じて伝わるものがある。旅の景色が少し変わる。
この作家の日本語に対する関心、洞察、愛着、とてもすごい。
自分の国の言葉ですら、深くは知ろうと、考えようとしないわし自身がはずかしくなる。
天文学の旅
美しい星を見たいと旅にでた。日本の田舎。
宿にいたベトナム実習生と話す。
ベトナムにも良いところがたくさんあるよって。
AIの言葉
学生のレポートは、彼らが書くとどこかに粗がでる。
しかし、そこから確かに何かが生まれようとしてる
模範的な文章からではなく。
AIの時代になると・・
乗り継ぎ
できるだけ長い乗り継ぎがいいなあっておっしゃる。
乗り継ぎ旅の楽しみ方。
わしは、考えたこともなかった。短い方がいい、ない方がいい。
たしかに、モノは考えよう。
香港空港の乗り継ぎ、シンガポール空港の乗り継ぎ、昆明空港の乗り継ぎ。
たしかにいくらでも楽しい、エキサイティングな思い出がある。
俺を使わない僕
過去完了。時制。英語は難しいといわれる。
しかし、英語を使う人からすれば、ややこしいも何もただの現実、単にただの「時間」
である。
作者からすれば、日本語は難しくないと思う。言語のレベルでは。
難しいのは相手に対する自分の立場が常に問われることだ。
1人称のつかいわけ
ダナンの旅
海に面するところに滞在し本を読みながら1週間をすごす。
ミーソン地域、ホイアン・・日本橋は工事中だった。
父のカメラ
もうすぐ70歳の父が日本にやってきた。
ユーチューブ、メッセージアプリなどを使いこなして、旅の準備が万全だ。
スカイツリー、有名な交差点(シブヤ)、九州縦断ななつ星・・・・
言葉の出島
日本にいながら英語を期待されるプレッシャーとは
マイジャパン症候群
日本在住の英語話者コミュニティ独特の症状とは
とても良い、とても面白い。
気に入った本を何度も読み返す楽しみということをあらためて考えさせられた。
わしの勝手なおすすめ度。
星五つ。
「ジェイムズ」。
パーシヴァル・エヴェレット 著。
「もう一つのハックルベリー・フィン? それとも」
ジム ジェイムズに危険が迫っているのか? 売られてしまうのか?
よう考えたら、わしは、「ハックルベリー・フィンの冒険」て本はちゃんと読んでない。
気がする。
子どもの頃、軽く読んだ程度、ほとんど覚えてへん。
新たな、「黒人ジェイムズの冒険」の始まりだ。
ジェイムズには妻セイディーと娘エリザベスがいる。かけがえのない存在だ。
しかし、ずっと一緒に居られへんかもしれん。
サッチャー判事があなたを売るといってたよ。あの温厚な知識人でも、黒人奴隷は黒人奴隷としてしか見ていない。
すみなやかに逃げないといけない。
ハックと逃げよう。ハックの父親が戻ったらしい。碌でもない男。
とにかく逃げ延びたら、金を貯めて、妻と娘を助け出そう。
洪水騒ぎにまぎれて逃げる。
ハックの父は? 死んだのか? ジムが?
問題に名前をつけるのは白人。白人よろこぶわたしたち安全。
さて・・・
ガラガラヘビに噛まれた。 ジムに300ドルの賞金がついたらしい。
難破船あり。
ヴォルテールの「寛容論」「最善論」 ルソー「人間不平等起源論」。
黒人も読むのだ?
ここはイリノイだ自由州。上流の街から逃げてきた。
カヌーで川を下る。
オールド・ジョージとヤング・ジョージに出会う。ジョサイアに鉛筆が欲しいという。
都合してくれた。
その結果、ジョサイアは?
どんどん逃げる。わけのわからんペテン師たち。
ブリッジ・ウォーター 公爵 王様 ルイ17世 説教師エメット
白人が黒人に化けるショーをやって金を稼いでいる。ジムに出ろという。
靴墨を塗る 200ドルで売られた。逃げてこいと言われた。
売って、逃げる。また売る。それが商売。
こんどは、ノーマンと逃げる ノーマンは白人に見える
どんどん逃げる。果てしなく逃げる。
いつか自由になれるのか?
本当の自由ってあるのか?
ジムの冒険は終わるのか?
面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
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