最近夢中で読んだ本、野坂昭如、藤原伊織

  • 2007年12月25日
  • 3人
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野坂昭如、「死刑長寿」
この作家、「火垂るの墓」は強烈だった。戦争の最中、焼け出されて
孤児となった兄弟。飢えと病気で死んでいく妹。それを見つめる兄。
すさまじい世界を独特の文体で語っていく。
この頃の事を語るとすばらしい存在感を感じる。
戦災のどさくさの中、どこがどう食い違ったのか、
3人殺しの確信犯。死刑が執行されないまま牢の中、気がついたら長寿日本一に。
実に皮肉な展開はどうなっていくだろう。
ある日とち狂った総理が施行しようとしたET法。
起たざるもの生きるべからず。
すごい発想。私ならどうなる?
・・・・・
野坂節は衰えてない。

藤原伊織、「てのひらの闇」
この人の作品、前に読んだのは「テロリストのパラソル」
我らの時代の全共闘がからんだ話、そういう興味もあるし、広告業界の話も
私には新鮮だった。
これも広告業界の話、あるCMフィルムの企画がきっかけで事件が始まる。
ちょっと寂しげなかっこいい男達。
かっこよすぎる気もするけど、それが本のいいところ。
面白いので一気に読んでしまった。

hon071225

毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。