最近読んだ本、「このやさしき大地」、「水死」。

  • 2023年7月17日
  • 9人

「このやさしき大地」。

ウィリアム・ケント・クルーガー 著。

あじあん

「オディ・オバニオン、遥かなるオデッセウスの旅」。

この本いいなあ。とても良い。

わたしは物語作家だ。ギレアド川の土手に立つスズカケノキの木陰の家に暮らしている。

今から話す物語はギレアド川の土手で始まった。・・・・

血湧き肉躍る冒険物語。ハラハラドキドキ・・・

力を合わせれば必ず困難を乗り越えられる・・・

時には都合良すぎるけど、やっぱり応援してる主人公たちがうまくいくと嬉しい・・・

アメリカ北部、ミネソタ州の川のそば、自然豊かなところだ。

地図をみながら本を読むのは珍しい。

しかし、時代は全米にひろがる大恐慌の頃だ。アメリカの人たちにとんでもない貧しさがもたらされた時代だ。

オディ・オバニオン12歳。4コ上の兄アルバートと施設、リンカーン教護院にいる。

なぜかそこはアメリカ先住民の子供たちの更生施設。そんな中に白人の子供が二人だけ、過酷な暮らしの日々だ。

何かあると、お仕置き部屋に隔離される。黒い魔女ミセス・ブリックマンやその夫に憎まれてる?

そんな気がする。

それでも、兄やアルバートが助けてくれるし、近所の農場で娘エミーと暮らす、コーラ・フロストが優しくしてくれる。

しかし、ぎりぎりの幸せはいつか、遠くないうちに破綻する、そんな予感と予兆が漂っている。

ビリーが居なくなった。脱走なんかできるのか? 乱暴者ディマルコに殺された? 行方がわからん。

そして嵐が来た。竜巻があたりの家を薙ぎ倒す。よりにもよってコーラが巻き込まれて死んでしまった。

身の回りが旧に不安になった。これからはどんな目に、どんないじめに遭うんだろう。

そしてとうとうえらいことになった。オディは人を殺してしまったのか?

ビリーは死んでいた。彼も襲われた? その正当防衛のはずみで?

何にしても逃げんとあかん? もちろんアルバートも一緒だ。孤児になってしまったエミーを置いていけない。施設仲間のモーズが来てくれる。

カヌーを見つけた。これで、目の前のギレアド川に漕ぎ出すのだ。

アルバートは冷静だ。ギレアド川はミネソタ川につながっている。ミネソタ川はミシシッピー川に合流する。おれたちはセントルイスに行くのだ。

セントルイスには唯一の身寄りのおばさんがいるはずだ。

きっと助けてくれる。

しかし、黒い魔女たちが追ってくる。彼らは警官たちとも親しい。捜索隊を組織して追ってくるはずだ。かれらから大事なモノを奪ってきた。彼らが手を拱いているはずがない。

少年たちの冒険の旅が始まる。

とても面白い。

頑張れ。

彼らが、施設でボーイスカウトの訓練を受けた経験が活かせそうだ。原住民の血のつながりも彼らを助けてくれそうだ。

かれらは逃げる。しかし追手はひたひたと迫る。足音はすぐそこに。

オディはとても心を打つハーモニカを吹く。この音色が彼らの困窮を救うことになるのか?

それとも見つかってしまう手段となってしまうのか?

川を降りながら南に南にと移動する。アメリカの困窮の時代だ。あちらこちらに難民的な人たちが集まってる。誰が敵で、誰が味方か?誰が助けてくれるのか?

家族の愛が壊れることはないのか? 友情が破綻することはないのか?

苦難の旅が続く。

妖しい教団? シスターイブとの出会い?

メイベスとの恋は?

頑張れ。

彼らは叔母さんに会えるのか? そして、わかって来たことがたくさんある。

兄の運命は? エミーの運命は? メイベスは? シスターイブは?

アメリカの自然が心に沁みる。

読み終わるのが惜しい。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ半。

「水死」。

大江健三郎 著。

あじあん

「水死小説」。

こないだ、たまたまテレビをみてたら、普段テレビ見ないんやけど、まったくのたまたま、大江健三郎氏がインタビューに応じてた。多分、先日亡くなったんで、その追悼の関係か、昔の番組が再放送されてたんやと思う。それは、彼の最後の作品? 「水死」と言う小説についての内容だった。

そういえば、最近、この人の本を読んでないなあ。

それにしても、この人のおしゃべりって、お喋りそのものがまるでこの人の小説やなあって思った。

インタビュアがとても頭が良さそうな女性アナウンサーだったんで余計に話がうまく盛り上がってたんかもしれん。

久しぶりに、こういう語り口の小説を読んでみよう。

てなことで読んだけど、あいかわらず難しい。

わしの単純で出来の悪い感性では、なかなか本質に迫れない。気がする。

「水死」とは父の死のことか?

・赤革のトランクに小説の材料なら詰まっております。

:::

コギーを森に上らせる支度もせず

川流れのように帰って来ない

雨の降らない季節の東京で、

去年から 幼年時まで

逆さまに 思い出している

:::

川流れの意味とは? 父は本当に反乱に加担したのか?

将来のアカリの死について僕がよく準備してないのではないか

演劇版「みずから我が涙をぬぐいたまう日」とは?

ウナイコの役割は?

「死んだ犬を投げる」芝居が意味するものは?

淼々とと森森とはどう違う?

とても難しい。わしには。

それにしても、この作家が伊丹十三に対して持ってる畏敬の想いってすごいんやなあ。義兄とはいえ。衝撃の死があったとはいえ。

てなことで。

わしには難しかった。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ。

あじあん

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