後々まで気になった話。神社に数珠を落としてるのを見つけた話。

何時ものウォーキングコースで。

慈尊院というお寺がある。九度山から高野山まで行く昔の参詣道、「町石道」の起点になる場所だ。
由緒あるお寺でもある。
ちょうどええくらいの広さの境内、春には桜が美しい。
一番奥に上に登る階段がある。けっこう急できつい。
119段。この真ん中あたりに町石道の起点の印、180番目の町石がある。
ありがたいやつだ。登山者はこれを拝んでから出発する。
わしは、いつものコースやから気にしない。
出迎えは誰もおらんけど、ずっと前に大きな猿が座ってはったことがあって、とても驚いた。向こうも驚いたらしく、すぐにいなくなった。
そういえば、その当時、町内放送で猿が出没してるってアナウンスがあった。できるだけ構うな、相手すなというような内容だった。
怖い、怖い。熊よりはましやけど。
おらん時はずんずん登る。登り終えたら、丹生官省符神社という神社の境内だ。
神仏が一緒に祀られていた時代の名残なんかな。

わしのウォーキングはここで折り返しだ。一休み。お茶を飲んで一息ついて。
景色を見る。いつも同じ。階段の下にまっすぐ伸びる風景。
なかなか良い感じだ。紀ノ川まで見渡せる。
秋には紅葉が美しい。
それで、ふと、石の階段を見る。
数珠がある。落ちてる。神社に？
石段の両側にはずらりと石の棒が立っていて、前回、補修工事をした時のやつか、寄付した人の名前が順に刻まれている。寄付のお礼やね。
その一つの上に乗っているのだ。
落としたにしてはちゃんと上に乗ってる。置いたにしてはえらく不自然。
誰かが落としたやつを見つけた人が乗せておいたのか。
その日はそのまま放っておいたけど、なんだか気になる。
また行ったらまたあった。

神社に届けんのもなんやし、神社もお寺も人がいる時が少ない。
届けたからといって受け取ったほうも困るやろし・・・
困ったもんだ。
何回行ってもまだある。どうしよう・・・
人通りは殆どない。
お寺にお参りに来る人は結構いてるけど、上の神社まで来る人は少ない。
以前は、高野山に行く登山客がとても多かった。しかし、コロナで激減してからあんまり回復しない。
土日祝はそれでも結構人が来てた。
しかし、今年の暑さは尋常ではなかった。そのためかどうか、また激減してる。
土日祝も少ない。

わしが思うに、今日本中で熊が出る問題が起きてるみたい。

この辺りでも結構目撃情報というか、防犯カメラに映っていた情報が出てる。それで、警戒する人が多くなったんとちゃうやろか。高野山には七つの参詣道があるけど、それに関する登山イベントというのが殆ど開催されなくなってる。

わしも一人で行くのは怖いんで、最近は全く登ってない。

熊は怖い。

てなことで、最近はいつも人気が少なくなってしまった道をウォーキングしてる。そのせいか数珠に構う人もいてへんみたい。いつ通ってもあるんで気にはなる。
仏具やし。
バチあたらへんやろか。

何故か数珠はずっと神社の石段に置いてある。

誰も興味ない。話。

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