大和文華館へ李迪を見に行く

やっとこの日が来た。奈良にある、「大和文華館」で開館50周年記念名品展が始まったのは
去年の話だ。その時に李迪と言う人の「雪中帰牧図」というのが展示されるのを知った。
「これはええ、絶対行きたい」と思ったが、すぐにやっているわけではなかった。
順番がある。何期かにわけて展示替えがあるのだ。順番が来るまで待たないといけない。
「待ち遠しいなあ」
今迄、奈良、学園前は奈良に行く時に車で通過するだけで、電車で来て降りたのは初めてだ。
南口から外に出ると、駅前ロータリーに出る。そこから右上の住宅街に上って行く道と
左上の住宅街に上って行く道があって、その間に下に降りて行く道がある。
「美術館がたくさんあるんやなあ」
左に行くと、「松伯美術館」があるようだ。
「お婆ちゃんの画やったら見たいけど、当代の人やったら今回はパスやなあ」
下に行くと目的地だ。「大和文華館」以外に「中野美術館」というのも道標に書いてある。
「今はなんもやってないみたいやで」
「大和文華館」の庭は梅が花開きかけている。
「なかなかええとこや」もったいぶらずに、さっさと中に入ろう。
「雪中帰牧図」がある。30cm角位の小さな2福対の掛け軸だ。
「えらいちいさいなあ」
それでも、すごい存在感がある。どうやったらこれほど緻密に描けるのかと思うほど精緻で
繊細だ。
「凛とした空気と静謐さが漂っている」
「気品がある」
じっと見とれてしまうが、他の人もいるから場所を占有してはいけない。
ちょっと横に寄ろう。しかし、それでもうさんくさいおっさんが横でじっと画を見てるとそれだけでプレッシャーを
与えてそうだ。一旦別の画を見て回って、又戻ろう。
この美術館は綺麗で清潔で大きさもあって、なかなかいい。
しかし、展示の方法に大きな問題があると思う。
正面の狭い範囲しかまともに作品を見れないのだ。横に寄ると、照明がガラスに映り込んで
その反射でよく見えない。しかも解説も正面にある。解説を読んでいる人がいると、他の
人は作品を見れないのだ。だから、ちょっと横に何人か並んでもちゃんと見れない人が多い
のだ。特にこういう小品になるとよけいちゃんと見えるポイントが狭くなる。
「こういうのは絶対になんとかしてほしいものだ」
けちばかりつけてもしょうがない。空いてるからじっくり見れてよかったではないかと
思おう。「雪中帰牧図」の絵葉書を記念に買って帰った。
大いなる刺激を受けた一日であった。

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毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。
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