最近読んだ本、「奇のくに風土記」、「水棲生物 水の底のアフリカ」。

  • 2025年8月5日
  • 16人

「奇のくに風土記」

木内昇 著。

あじあん

若き本草学者の不思議に満ちた生きものとの出会い――心震わせる時代幻想譚。

紀州藩に明君あり。
徳川治宝、第十代藩主である。
政治、経済、文化、あらゆる面で豊かに花開かせた人であると言う。
伊達千広と言えば、陸奥宗光の父、経済改革で大活躍したらしい。
その時代。
山野を歩き回り、草木と話ができる。
天狗と話ができる。
そんな若者がいた。畔田十兵衛。
和歌山市は昔は近郊を含め、自然豊かなところだ。森や丘や陵が沢山ある。
ありとあらゆる種類の草木がある。
それを求めて、森に入る、山に入る。
馬酔木の葉を体につけたら、獣よけになる。
小臭木が臭うと雨が降る。
天狗が教えてくれた。
病を治す。心を癒す。草木には効能がいくらでもある。
それを知りたい。
若者は本草学の道を目指す。
卯木 うつぎ
蜜柑 みかん
雪の舌 ゆきのした
伊佐木 いさき
不知火 しらぬい
藤袴 ふじばかま
仙蓼 せんりょう
譲葉 ゆずりは
山桃 やまもも
白山人参 はくさんにんじん
黒百合 くろゆり
瑞菜 ずいな
稲穂 いなほ
蓮華 れんげ
南方熊楠の先駆けですなあ。
牧野富太郎みたいな人。
牧野の家のルーツも和歌山、今の紀の川市のあたりだったらしい。
紀州の山の精霊たちが、こういうひとたちを呼び起こすんかもしれんですなあ。
定家葛を伝って降りてくるのは?
白山で見た怨霊とは?
とても面白い。
興味深い。
白山人参。吉野人参。
今も残る養翠園はこのころ出来たのだ。
とても面白い。
とても興味深い。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

「水棲生物 水の底のアフリカ」

 

オズヴァルド・ルワット著。

あじあん

「私たちは皆、水の底で生きている」

「わたしが育った環境では、ゲイであることは社会的死を意味します。国家による抑圧の前に、家族による抑圧があり、子どもの頃から同性愛者には天罰が下ると教えられてきました。作家と自分でいることを拒絶された人たちと会い、このテーマに取り組むことにしたのです。
(TV5MONDEの番組インタビューより)
サミーことサミュエル・バンクーは彫刻家であり陶芸家であり、モダンアート、ビデオアートの芸術家である。反体制的な作品で人気上昇中。
かれの斬新な個展がもうすぐ始まる。
カトメはいとこ。サミーの応援者。知事夫人。彼は、子どもたちのゴッドファーザーでもある。
カトメの母は死んだ。
畑の片隅に葬った。小さな棺桶。それでも穴に入らない。
20年後の今、なぜ、もう一回葬儀が? 夫のクシュンの政治が絡む?
新聞沙汰? 謎の投書?
そして、サミーの秘密が暴かれた? 秘密?
個展はどうなる?
画廊はどうする?
そして村社会が攻撃を始めた。容赦無く・・・残酷に・・・徹底的に・・・
囚われのサミーはどうなる。
カトメはどうする?
なんだか感受性の鈍いわしにはなかなかついていかれへん。
この作家は、高名な映像さっかだそうだ。
とても映像的な本のストーリーという気がする。
ママの葬儀はどうなる?
フォルテスとの愛は現実なのか?
そしてどうなる?
知事は?
なんだか難しい。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

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