最近読んだ本、「海への巡礼 文学が生まれる場所」、「ヴァイオリン職人の探求と推理」。

  • 2024年2月16日
  • 42人

「海への巡礼 文学が生まれる場所」

岡本勝人 著

あじあん

プルーストのノルマンディ、モン・サン・ミッシェルの海からヴェネツィアへ、そして・・

海と海のある街。

文学者や詩人がそこにいて、何を感じたのか。そして生まれたものは。

ノルマンディ。

ニューヨーク。

太平洋。

那智、熊野。

沖縄。

・・・・

1 モン・サン・ミッシェル

 1 イル・ド・フランス

  プルースト パリ郊外 イリエをコンプレーと名づけた バルベックはノルマンディの漁村が

  モデル ボードレールやマラルメ 「旅へのさそい」

 2 ノルマンディとブルターニュ

  堀江敏幸

 3 海の中の島と教会

  ミルトン失楽園

 4 失楽園

  モン・サン・ミッシェル

 5 中世世界と巡礼

  琵琶湖の竹生島 西脇順三郎 ワーグナー ボードレール

2 迷路と海 志賀直哉 エズラ・バウンド、飯島耕一

 1 真鶴半島

  中川一政 志賀直哉 富岡鉄斎

 2 志賀直哉のライフスタイル

  嵯峨野 鎌倉 田村隆一

 3 ヴェネツィア

  池澤夏樹 パウンド 小林秀雄

 4 ニューヨーク

  ハドソン川 河邨文一郎 ニューヨーク詩集

 5 ヘミングウェイと飯島耕一 移動祝祭日

 6 詩集「アメリカ」

  飯島耕一 西脇順三郎

3 ふたつの太洋 メルヴィル、中上健次、源実朝

 1 ロンドン

  エズラ・バウンド T・S・エリオット 荒地 ゲーテ

 2 ボストンの水辺

  ホーソーン 緋文字

 3 ミカエルに導かれ

  フランシスコ・ザビエル 千石ミゲル ボードレール 西脇順三郎

 4 水は海へ

  バシュラール 吉本隆明 メルヴィル 白鯨

 5 熊野という「海やのあひだ」

  折口信夫 補陀落 那智山 川村湊 中上健次 井上靖 補陀落渡海記

 6 紀州勝浦の海へのひらけ

  明恵 白上峰 白洲正子 河合隼雄 南方熊楠 三島由紀夫 佐藤春夫 さんま、さんま

 7 那智の滝

  中上健次 枯木灘 柳田國男

 8 海から望む三浦半島と鎌倉世界

  司馬遼太郎 街道を行く

 9 漂流

  銚子 紀州熊野と千葉の房総 吉村幸子

 10 鎌倉の頼朝と実朝

  実朝 鴨長明 定家 小林秀雄 太宰治

4 商船と病院船 レヴィ・ストロースと鮎川信夫

 1 高丘親王と明恵上人の見た海

  澁澤龍彦 高丘親王 薬子 高麗 唐土 天竺

 2 レヴィ・ストロース

 3 東シナ海と戦後詩

  鮎川信夫 奄美大島 島尾敏雄

 4 ブラジルからアジアへ

  ターナー メルヴィル レヴィ・ストロース ブラジル 進藤涼子 高橋順子 東谷長吉

  ピースボート

  ゴーギャン メルヴィル ノアノア タヒチ

5 琉球弧をたどる 柳田國男、柳宗悦、島尾敏雄

 1 宮古の影

  飯島耕一 柳田國男

 2 壺屋から国際通りへ

  吉野剛造

 3 柳田國男の沖縄

  折口信夫 柳田國男 谷川健一

 4 柳宗悦と山之口獏

  柳宗悦 濱田庄司 河井寛次郎 棟方志功 山之口漠

 5 首里城と青い海

  倉田比羽子 アルベール・カミュ グルニエ 中上健次

6 尾道

 1 ペリーと鯨

  首里城 神奈川の叶神社 ル・クレジオ プルースト ゴーギャン

 2 島唄

  島尾敏雄

 3 北西航路

  田村隆一 松本邦吉 ミッシェル・セール ウンベルト・エーコ 前日島

 4 新南島論と吉増剛造

  吉増剛造

 5 海上の道

 6 ニライカナイと尾道

  空海 生まれ生まれ生まれ・・・ 小林秀雄 志賀直哉

  補遺 海の作家・ヘミングウェイの青春

郷愁はわかるけど、なんだかわしには難しい。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

「ヴァイオリン職人の探求と推理」

ポール・アダム 著。

あじあん

「この世でもっとも有名なーそしてもっとも高価なヴァイオリン」幻の名器は見つかるのか。

某有名なバイオリニストは何億円かのスラディヴァリを買って演奏してるなんて話を聞いたことがある。弘法筆を選ばずか、名器が人を育てるのか、よう知らんけど。

楽器や道具って使われてなんぼの世界でもある。

それが今やただの美術品になってしまう場合もある。

イタリア、クレモナはヴァイオリン造りの街だ。

バイオリン職人のジャンニの家で、仲間が集まってささやかな演奏会。

機嫌良く帰ったはずの職人仲間トマソが家に帰ってない。実は工房で殺されていた。

いつものグァスタフェステ刑事が担当する。

部屋が荒らされて何かが持ち去られたみたい。

彼が殺されるような何があったのか? その痕跡は。

「メシアの姉妹」と呼ばれるヴァイオリンがある。それは実在するのか。

「この世でもっとも有名なーそしてもっとも高価なヴァイオリン」。

彼らは、イギリスに飛ぶ。

古文書の中に何が? 古びた絵画の中に何かが?

ストラディヴァリをめぐる物語。誰が誰に売ったか?

全ての記録があるのか?

舞台はヴェネツィアへ。そして又、殺人が。

「デル・ジェス」とは?

ルイ・シュポワの失われたグァルネリとは?

とても面白い。

贋作は何故つくられるのか?

贋作はどうつくるのか? どう見分けるのか?

恐ろしい世界だ。

サラブーヘ伯爵イグナツィオ・アレッサンドロ・コツィオへ渡ったヴァイオリンはどうなったか。

絵画の中に描かれたのは? 描かれなかったものは?

フォルラーニが殺された時、犯人はマッジーニを持っていった。なぜグァルネリを持っていかなかった?

謎のイギリス人とは?

果たして、「メシアの姉妹」は見つかるのか?

とても面白い。

パガニーニを聴きたくなった。

職人の世界。芸術の世界。

ええですなあ。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

あじあん

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