最近読んだ本、「悪玉伝」、「ミチノオク」。

  • 2025年6月25日
  • 6人

「悪玉伝」

朝井まかで 著。

あじあん

たかが商家の跡目争いに、なんで次々武士が切腹? 将軍まで出てくる?

大阪の話。堀江のあたり。
昔は木津村と言ったそうだ。
木津屋吉兵衛。
本家は辰巳屋、豪商である。兄久左衛門が跡をついでいる。
吉兵衛は木津屋でしたい放題。お金使い放題。
粋な旦那暮らしの毎日。
しかし、突然、兄が死んだ。
なんだか、葬儀の様子がおかしい。跡取りは、兄の娘伊波の婿乙之助。
なんだか変。大番頭が仕切ってる。このままでは乗っ取られそう。
で、吉兵衛が辰巳屋に乗り込み、相続宣言。
よくある商家の跡目争い。
乙之助と伊之助が大阪町奉行所に訴えて裁判が始まる。大事件に。
しかし、結局吉兵衛の勝ち。
めでたしめでたし。
とはいかない。事件はここから始まる。
面白くなる。
乙之助は泉州の豪商、唐金屋から貰った養子。バックにこれがついてる。
時は将軍吉宗の時代。
乙之助は江戸で訴えを起こす。唐金屋のバックアップだ。
どんどん不利になる。裁くのは大岡越前守。
なんだか、作り話みたい。でも実話らしい。
治ったはずの判決がどんでん返し? 裁判所の権威は?
江戸対大阪? 武家対商人? 金相場対銀相場?
なんだか妖しい利権が? なんだか不思議な権力が?
役人の賄賂漬け?
とても面白い。
吉兵衛は牢の中でも頑張る。支援者も頑張る。
大阪対江戸?
理不尽と戦う・・・
さて、この裁判はどう決着するのか?
吉兵衛は本当に悪人なのか?
実名満載。実話も満載?
一歩も引かない吉兵衛。
頑張れ!
今に変わらぬ利権、収賄、汚職。
とても面白い。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ半。

「ミチノオク」

佐伯一麦 著

あじあん

九つの旅で出会う、人の心のオク

何となく似たような本を読んだことがあるなあって思いつつ読んでたら、
思い出した。「山海記」という本だ。
これは、紀州の山のなかの暮らしを訪ねた話で、わしの住居にちかいあたり、
地名や暮らしをよく知ってるあたりやったんで、特に興味深かったけど、今回は
東北だ。著者の故郷、いまも住んでるところである。
これもまた普通の旅行記ではない。
心静かに、人の暮らしの内面を辿る旅。
ハレの旅ではなくて、クモリの日々を訪ねる。
震災を経験した人が、震災の跡を。
盆踊りとは、死んだ人との交感の宴なのか。
離島にある賽の河原。砂金掘り。
象潟の島々の跡やら九十九島やら。
遠野のカッパ、デンデラサマ。
イロイロ。・・・・
西馬音内(にしもない)
貞山堀
飛鳥
大年寺山
黄金山
月山道
苗代島
会津磐梯山
遠野郷
また、旅に行こう。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

ブログランキングに参加していますよかったらポチンとお願いいたします。

にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村