ポール/セロー「ダーク・スター・サファリ」
「鉄道大バザール」と言う本を読んで以来この作家のファンになってしまって、
次々とこの人の旅の本を追いかけている。旅のスタイルはわしが目指している
やり方によく似ている。というか、わしが真似をし始めてるんやろうと思う。
バックパッカーと言う程ではないけど、基本的には公共交通機関を使うし、で
きるだけ飛行機を使わないで、鉄道、バスを多用する。出来るだけ安いとこに
泊まって、ローカルの安いモンを食う。
よう考えたらこれも当たり前やなあ。旅をする上での一番の問題は言葉やと思
う。現地の言葉を使えれば使えるほどディープでエキサイティングな旅ができ
るはずなのだ。この人の旅も言葉が喋れる場所の旅はとてもエキサイティング
だ。今回の旅は、アフリカだ。カイロからケープタウンまでアフリカ大陸を縦
断するというとてつもない旅なのだ。驚いたのはこの人がアフリカで教師をし
て暮らした経験があると言う事だ。それで言葉も喋れるし土地勘もある。それ
故敢えてディープな手段で旅を進めているんやろう。この人の心の故郷を訪ね
る旅になったよいだ。
この人の旅を通して見えるアフリカは被支援、被援助大国だ。様々な国や機関
が支援、援助のネタを探して群がっているらしい。そやから援助を受ける事だ
けが仕事になってしまって、折角援助で始めた教育や起業であっても、根付か
へんと立ちぐされになってしまうのだそうだ。何となく説得力あるなあ、そう
やとしたら悲しい事やなあと思う。貧しさが前提の暮らしなんやろか。
アフリカのバスの旅も列車の旅も思い切りディープだ。いくらなんでもわしに
は無理やでと思える。思い切り非衛生で、食いモンもない、トイレもない、い
つ着くか、ほんまに着くかわからん状態で何時間も何十時間も過ごすのだ。幸
い彼はスワヒリ語を喋る。それはやとえらい違いやなあと思う。国際バックパ
ッカー相手のトラックを改造した大陸縦断バスにも一部乗ったよいだ。うらや
ましい。いつか乗って見たい。
しかし、この人が日本人を見る目が何故か厳しい。嫌いみたいやね。それに、
意見の合わない作家やボランティアの人に対しての視線も厳しい。何故か上か
ら目線を感じてしまう。
ちょっと嫌になってきたなあ。
木皿泉、「昨夜のカレー、明日のパン」
不思議な本だ。テレビドラマによくあるような口当たりの良い無難ではあるが
テンポが良くてかっこいい、そんなお話みたいやなあって思いながら読んでい
た。確かにそうなんやけど、時々ドキッとするような上手な言葉を使ってはる。
テツコはギフ(義父)と二人で暮らしている。夫のカズちゃん(一樹)は死んでし
まったから、不自然なようでそうでもない。
そして、岩井さんはテツコを恋人だと思ってる。
隣の家のムムムは客室乗務員の仕事を辞めて家にいて、笑わない。
個性的なような個性のないような人たちのなかで物事は自然に丸く収まって行く。
読みやすくて面白いんやけど。頼りないようやなあ。
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ありがとうございました。