最近読んだ本、「スピノザの診察室」、「円かなる大地」。

  • 2025年6月9日
  • 7人

「スピノザの診察室」

夏川草介 著。

あじあん

その医師は、最後に希望の明かりをともす。

マチ先生と呼ばれる雄町哲朗医師、38歳、消化器内科。
かっこいい。人気者。
しかし、いろいろと背負うものもある。
妹が若くして亡くなった。その子供を引き取って2人暮らし。
大学での激務は無理なので、京都の町中の地域病院で。
凄腕の内視鏡手術医がストイックな暮らしを送るか。
ちなみに、消化器系の手術と言っても、普通に切るやつとか、腹腔鏡手術とかは、
外科で、内視鏡になると内科らしい。
素人にはその区別の理由がわからへん。
わしは、5年前に胃がんになって、腹腔鏡手術をやってもらった。
お腹に3箇所穴が空いている。
その後は抗がん剤治療もなく、転移も再発もなく、無事に過ごしたけど、
5年目の検診で、胃のポリープが見つかった。悪性ではなかったけど、ちょっと
大きいんで切った方がええやろか。
そういう話になると、医師から、あなたの癌とこれとは全く違うのもです。
ポリープは内視鏡の手術になるんで、内科になります。
なんてことで、ちゃっちゃと外科卒業、内科に回された。
なんかわからんでもやっとするけど、まあしょうがない。
その後、内科の内視鏡チームにポリープをバシバシっ、スパっと切っていただいた。
こっちはこっちでいろいろ技があるんや。
その技の究極が、この本で展開される。
手に汗にぎる、緊迫の場面が盛り上がる。
それは、やっぱり大学病院での話だ。
町中、地域病院では、別のドラマがある。
終末をどう生きるか?
金はないけど誇りはある?
どう死ぬか?
がんばらなくても良い。あんまり急がなくても良い。
死ぬまでに食べておかないといけないうまいものが3つあるらしい。
長五郎餅。阿闍梨餅。矢来餅。
わしは恥ずかしながらどれも知らん。
これは食ってみんとあかんのやろか。
とても面白い。
緑寿庵の金平糖?
これも食わんとあかんなあ。
とても面白い。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。 

「円かなる大地」

武川裕 著

 

あじあん

アイヌの壮年と、蠣崎の娘。二人が目指したのは歴史上「たった一度の」和睦。

タイムリミットは15日。総移動距離は320km驚大スケールで描く。
ヒグマが出た。巨大なやつ。凶暴なやつ。
館を襲う。だれも手出しできない?
シラウキが現れ、稲姫を助ける。
しかし、姫の父は? いったい?
母は?
稲姫の旅が始まった。アイヌと和人は和睦しなければならない。
和人がアイヌの暮らしを奪う?
土地を奪う?
残虐の限りを尽くす?
その果てに何があるのか?
共に生きる道はないのか?
稲姫はどこまでも進む。
シラウチが助ける。
師季が命をかける。
悪太夫とは、女? 強い?
俊円とは? アルグンとは? 彼らが背負うものは?
稲姫の母が伝えるものは?
シラウキの秘密とは? 次郎の秘密とは?
姫はたどりつくのか?
和睦ななるのか?
面白いけど、なんだかちょっと中途半端。
バタバタしすぎて入り込めない。
壮大な舞台で物語が彷徨ってる。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ。

あじあん

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