「愚道一休」
木下昌輝 著
風狂一休。南朝の血をひくご落胤? ただの破戒坊主? その一生は?
先日、たまたま大徳寺に行った。
ちょうど何かの催しの期間であって、いろんな展示がある中に、一休禅師に関する
ものもあった。
例のあの無精髭だらけの肖像画もあった。
確か、京田辺にある酬恩庵一休寺で見たやつだ。
確か、境内にある一休宗純の墓所には菊の紋があって、宮内庁が管理と書いてたから、
天皇の血を引くという話は、まんざら嘘ではない? 知らんけど。
他には、小坊主一休さんの漫画関連展示だ。
風狂、破戒、やりたい放題とはいえ、それは、超ストイックな禅僧暮らしの中から出てくる
話であって、とんち話の漫画的な世界とはわしにとっては違和感満載だ。
で、この本、その彼の出自をめぐる話。
禅宗の修行の中で、己を高めていく話。
権力と私利私欲にあくせくする、禅寺の高僧たちの腐敗と戦う話。
そういう世界が展開される。
とても面白い。今まで全然知らんかった世界だ。
そして、元わしが住んでた堺の街ととても縁がある。
なるほど、そうだったんか。知らんけど。
そして京へ。
とても面白い。
それにしても、一休宗純の漢詩は難しい。超難解な言葉が一杯。
ちょうすさまじい過激でえっちなないようでも高邁な詩文に見える。
この本には出て来いへんけどね。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ
「死への旅」
アガサ・クリスティ 著。
古くても新しいクリスティ、ポアロもミス・マープルも出てこないけど、とても面白い。
書棚の片隅に古い文庫本があった。
この本だ。
えらい古いやんか。パラパラみても内容はまったく忘れてしまってる。
最近は、テレビのミステリー番組で、名探偵ポアロシリーズやミス・マープルシリーズを
よく見たりする。
とても面白い。
この本では、どちらも出てこないけど、やっぱり面白い。
時代は、ソ連が存在した冷戦の頃。
高明な学者が次々と謎の失踪をしている。なぜ? どこへ?
トーマス・ベタートンもその一人だ。
一方、人生がいやになった女がいる。いっそ死んでしまいたい。
気晴らしに旅行にでかける。しかし、天候が悪く、乗り継ぐはずの飛行機に乗れなかった。
そして、その飛行機は墜落してほとんどの乗客は死んでしまった。
私だったらよかったのに。
ミステリーが始まる。
彼女はヒラリー・クレイヴェン。
突然、訪問者が。
先日、行方不明になったトーマス・ベタートンの妻があの飛行機に乗っていて、
瀕死の重症だという。その死に立ち会った。
そして、彼女になりすまして、誘拐組織に入り込んでスパイになれという。
そこで死んでもええではないか。死ぬより面白いことが待ってるかもしれん。
なかなか魅力的な提案ではある。
乗ってみよう。
てなことで行方不明の夫に会いに行く女としての冒険が始まる。
アフリカの砂漠の地、カサブランカ?
なんとなく近づいてくる旅行者たち。友達になる。
そして、次の旅に? また事故が?
そして、事態は展開していく。
ミステリアス。
とても面白い。
今風の監視カメラもDNA鑑定も、AIもないけど、楽しいミステリーが始まる。
謎の富豪? 虚々実々の駆け引き?
夫と会えるか? そしてどうなる。
とても、面白い。
さすがクリスティ。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ。
ブログランキングに参加していますよかったらポチンとお願いいたします。