最近読んだ本、「晩夏の墜落」、「みかづき」

  • 2018年5月24日
  • 6人

ノア・ホーリー、「晩夏の墜落」
有る夏の夜、ロングアイランド沖でプライベートジェット機が墜落した。たまたま
この飛行機に乗り合わせたスコットは幼い男の子と二人海に投げ出されたことに
気が付いた。子どもを抱きかかえながら一晩中泳いでやっと助かった。
その後、何が起こったのか。
事件はどんどん意外な方向に展開していく。
果たしてこれは単なる事故なのか?
他の被害者はまだ見つからない。原因がわからない。ありえない。
そもそもこのプライベートジェット機はあるテレビニュース会社のオーナーのもので
その夫婦と子ども二人が乗っていた。売れない画家スコットは前日に偶々、婦人に
登場するよう誘われただけだ。後は無理矢理のように同乗を頼んだセレブの夫婦。
オーナーをなくしたテレビ会社、事故の原因追求が加熱する。
裏に思惑があるのか?
莫大な遺産を相続するのは誰か?
それもからむのか?
全員の死体が見つかった。銃撃の跡も。更に謎が深まる。
画家の絵が意味するものは何か?
憶測のマスコミキャンペーンが更に加熱する。一体何が起きたのか?生き延びたもの
にも疑惑があるのか? 報道とは何なのか?
機長に副操縦士、客室乗務員、それぞれにも何らかの疑惑と確執が。
本当は何が起こったのか?
操縦してたのは誰か?
つぎつぎと謎が解けていき、更に謎が深まる。
とても面白い。息つく暇もないくらいだ。

森絵都、「みかづき」
わしらが子どもの頃は塾に行く子はとても少なかったし、塾に行ってる事を隠してる子も
多かったように思う。簡単にいえばお金持ちらしき家の子どもが行ってるようであったのだ。
でもいつしか、結構沢山の友達が行くようになってたと思う。
わしの家庭はそんなに裕福ではなかったんでもちろんそんな機会はなかったんで、
塾に行くというのがどんな世界なんかは全くわからへんかった。
ある小学校で用務員をやってた大島吾郎はいつの間にか用務員室の守り神と言われる
ようになっていた。放課後に勉強ができなくてついていけない子どもたちを集めて
無償で勉強を教えていたのだ。その教え方がうまいと評判になってしまったのだ。
しかしええことばっかりは続かへん。いろんな妬みやそねみもある。とうとう学校を
でないといけないことに。
その頃、その娘を教えたことがきっかけで子どもの母である赤坂千明に誘われて
学習塾を立ち上げる。
吾郎の子ども達に対する思いと教える力、考えさせ、引き出す力、千明の教育に
対するくじけることのない信念。それらが有る時は塾を大いに発展させるが、
あるときは確執を生んで様々な波乱を生み出していく。
果たして彼らの塾はどうなっていくのか?
塾を含めた教育の世界はどうなっていくのか?
昨日の敵は今日の味方か? 昨日の味方は今日の敵か?
母から子、子からまたその子へ想いは繋がっていくのか?
いったん崩れたはずの親子の絆がまた結ばれるのか?
塾は世の中に必要なのか? 塾の役割とは何か?
彼らはそれに答えられるのか?
昭和から平成に渡る家族の奮闘記がとても面白い。

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ありがとうございました。