最近読んだ本、「幽玄F」、「求道の越境者・河口慧海」。

  • 2025年4月14日
  • 9人

「幽玄F」

佐藤究 著

あじあん

「少年は、空を夢見、そして空へ羽ばたく」

易永透は飛行機好き。11歳で初めて飛行機、エアバスA320に乗った。
それ以来、ずっと飛行機に取り憑かれている。
中学2年で両親が離婚。祖父に預けられた。真言宗のお寺。祖父は住職。
そして、彼の、飛行機を見つめるひたむきな人生が始まった。
それが、具体的には何なのかはまだわからない。
中学生のある時、友達に誘われて自衛隊三沢基地の航空祭を見に行った。
その友達が階段から落ちて骨折するというアクシデントで危うく見れなったが、
最後の戦闘機の航空ショーに間に合った。
そして、かれの人生が決まった。
航空学生になって、航空自衛隊のパイロットになる。
とても面白い。
ひたすら夢に向かって突き進む。
果たして、戦闘機のパイロットになれるのか?
それ以外に眼中にない。
祖父からは「護国の意味」を問われる。孔雀明王は彼を守ってくれるのか?
三島由紀夫 行動学入門 革命哲学としても陽明学
かれは戦闘機乗りになっていったい何をしたい?
最新鋭のF-35A、さらにF-35B。
Gに耐えることとは?
パーティゴに慣れることとは?
とても面白い。
タイからバングラディシュ・・・
彼が追い求めたもの・・・・
透明な蛇から逃れられるのか・・・
とても面白い。
でも、ちょっと飽きてくる。
なんだかなあ。ちょっとなあ。
そう言えば、「バニシングポイント(消失点)」って映画あったなあ。
ちょっと似た感じ。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

「求道の越境者・河口慧海 チベット潜入ルートを探る三十年の旅」

根深誠 著。

あじあん

ヒマラヤに残された最後のロマン、ついに解明?

1900年、チベット王国は鎖国状態であった。
その国に、日本人として初めて潜入した僧、河口慧海。
ネパールのムスタンのあたりから、チベットに入り、首都ラサに至る旅だ。
生涯かけて、彼の足跡をたどり、検証を続けた著者がついに解明したこととは?
すばらしい。
とても面白い。
夢と冒険に満ちたロードフィクション、というものではなくて、
実際に見て、感じて、体感したことを地道に淡々と語るノンフィクションである。
それにとても惹きつけられ、心打たれる。
河口慧海には「チベット旅行記」という著書がある。
著者は、これに書かれたコースを全て踏破してる。
沢山の疑問が出た。
歩いてみたら不明なことだらけ。当時とその後とは事情が異なってる。
地形が変わる? 人の暮らしが変わる? 政治情勢が変わる?
大まかなルートはわかっていても、実際にどの道をどこからどこまでどう進んだ?
ということが明らかにならない。
その疑問を潰すために、著者は何年も、何十年もかけて何度もネパールとチベットへ赴く。
現地の人との交流は深まる。
それでもわからないことが多い。
しかし、とうとう河口慧海の日記を遺族の人から見せてもらうことができた。
これで、多くのことが解明できた。
あと少し、今までの思い違い、勘違いも訊さねばならない。
しかし、政治情勢はだんだんと厳しくなる。
最後の疑問。
慧海がネパールからチベットに越境した地点は正確にはどこなのか。
クン・コーラかムィ・コーラか。
良質の冬虫夏草がとれるトルボ地方。昔はキティン王国が栄え、桃源郷といわれたところ?
どちらも、実際に行くのは今となってはとてもハードルが高い。
果たして、峠から見れる街は?
川は流れているのか?
とても面白い。
人が通る道か?
家畜が通る道か?
とても面白い。
沢木耕太郎の「天路の旅人」に出てくる西川一三の旅も同じような風景を見てるはず。
捉え方、感じ方がまた違って、とても興味深い。
あのあたり、わしは行ったことがない。
是非、行ってみたい。
しかし、わしは高山病にとても弱いんで躊躇ってる。
いつか行ける時が来るんやろか。
とてもよかった。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星五つ

あじあん

ブログランキングに参加していますよかったらポチンとお願いいたします。

にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村