「まいまいつぶろ」。
村木嵐 著。
「まいまいつぶろと呼ばれ蔑まれた君主がいた」
名君と謳われた八代将軍徳川吉宗。
その長男、長福丸。何の因果か、片手片足が動かない。口がきけない。
おまけに歩く度にお漏らし。
大変だ。
これで将軍を継げるのか?
あるいは、弟、小次郎丸を擁立?
お決まりのお家騒動?
しかし、鳥の声、風の声すら聞こえるという男がいた? 大岡兵庫。
彼を持ってすれば、後継の口代わりに? これは奇跡というべきではなかろうか。
口ができれば、実は賢い? 名君に?
しかし口は災いの元? 目となり耳となって、影の権勢が生まれては?
いつしか、長福丸は家重に。兵庫は忠光に。弟は宗武に。
吉宗の享保の改革はまだ道半ば。
悩ましい。老中たちの思惑は?
家重に子ができた。さて、どうなる?
とても面白い。
家重派vs宗武派?
「世継ぎは長子が崩れることは世の乱れの元になる?」vs「口が聞けなくても本当に政治ができる? 口の代わりの男の存在が、世の乱れの元になる?」
さて、どちらが勝つか。
お世継ぎは誰になるのか。
とても面白い。
大河でお馴染み、田沼意次も登場。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ。
「能十番」。
ジェイ・ルービン、いとうせいこう 著
新しい能の読み方。能や謡は読むのが面白い。
なるほどそうなのか。
今までの長い人生で、能に接する機会なんてほとんどなかった。
今でもない。
全く興味がなかったわけではない。
能は観劇するものと思い込んでたんで、なかなかチャンスに巡り合わんかったのだ。
探せばあるのはわかってるけど、かなりハードルが高い。めんどくさい。
嫌いなわけではない。
実際に観劇してみたら、とても良いと思った。
ビシリとした緊張感の中で、ジリジリ、ジリジリと間合いを詰めてくるような、
独特の動きと、謡の響き。
だんだんと異次元の世界に惹き込まれる。
とても良い。
そういう統合された世界でしか鑑賞できへんって思ってた。
しかし、この本で言うように、読んで見るのもなかなかいいと思う。
ただし、わしのように素養のないものは、解説も読まへんかったらついていかれへん。
この本のようなやつをいろいろ読みながら世界を広げて行こう。
今ちょっと絵のネタになりそうなやつもありそうなんで、もうちょっと勉強しよう。
難しいけどね。
英訳まであるで。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ。
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