最近読んだ本、「繊細な真実」、「月日の残像」

  • 2015年5月17日
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ジョン・ル・カレ、「繊細な真実」
この人のサスペンスは大好きだ。ちょっと普通のサスペンスものとは違う味が
ある。いつも新しい視点の新しいシチュエーションと血湧き肉躍るアクション
もあるし、話の展開も早くてリズムに乗りやすい。しかしそれだけではなくて、
人の暮らしもそこに描かれているようなのだ。ユーモアがあって、どこか哀し
い。絶望にうちひしがれても、ぶれなくて挫けない。勇気と元気を貰えそうだ。

キットはごく普通のさえない外務省の職員だ。
ある日何故か、特殊部隊やCIAを巻き込んだ、対テロリスト捕獲作戦のビッ
グプロジェクトに参加させられた。
何かおかしい?
その作戦は何故か当然の事のように挫折して、何故か無かったことにされてし
まったようだ。
何かおかしい?
そして、また平凡な暮らしに戻ったキットは何故かサーの位をもらい、引退す
る。そして典型的な田舎の引退暮らしを始めようとしていた。
何かおかしい。
そんな所に過去の亡霊が現れた。
一緒のプロジェクトにいたジェブだ。
あの作戦には隠された疑惑があると言う。関係のない母親と赤ん坊が巻き添え
で殺されたという。その真実を明かさないと生きて行けないという。
権力に対する空しい戦いが始まった。
ジェブはどうなる? その出来事は本当だったのか?
本当に権力に一泡吹かせることができるのか?
実に面白い。

hon150517-1

山田太一、「月日の残像」
高名な脚本家のエッセイだ。自分の歩んできた人生を淡々と綴っている。
戦中戦後の混乱期の父との暮らし、母の死、貧困の中での兄たちの哀しい死。
松竹撮影所での助監督見習いの時代。
木下恵介との出会い。
ドラマの成功。
来し方のゆらめきが、ゆっくりと静かに立ち上がってくるようだ。
心にしみるようなエッセイだ。
と思おうとしたんやけど、何故か素直に感動できなかった。
何故かはようわからん。
けど家族に対する視線がちょっと気になる。
わしの文章を読み取る力の拙さと、心が歳と共にいぢけてしまっていることで、
素直な心に共鳴できなくなってしまってるんやと思う。
素直な皆さんをきっと感動されることと思います。
ご一読を。

hon150517-2

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ありがとうございました。