「板上に咲く」。
原田マハ 著。
「世界のムナカタ、ここに誕生」
ずっと前に大原美術館に行った時に、陶芸家、河井寛次郎の作品の部屋があった。
そのすぐ側に、棟方志功の作品が展示されてる部屋があった。
ような記憶がある。
なんか、関連があるんかなあって漠然と不思議やったけど、この本を読んでようわかった。
柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎達、民芸運動の創始者たちと出会った事が棟方が世に出るきっかけだったのだ。
棟方志功であれば、どんな形ででも世に出たやろけど、そういう運命の出会いもあったのだ。
凄まじい努力の人、波乱万丈の人生。
貧乏に強い。艱難辛苦に挫けない。
信念を貫く。
すごい人だ。
しかし、奥さんがもっとすごい。
奥さんの方がめげない。挫けない。
奥さんの方が貧乏に負けない。
すごい。
棟方志功の作品に出てくる。あの明るくてパワフルな女神たち。
豊かで、愛に満ちた菩薩様、女仏様たち。
あれってきっと奥さんがモデルに違いない。
とても良い。
とても感動の人生だ。
もう一度、作品集の本を見直したくなった。
物語を絵にしてしまうって、ええですなあ。
憧れてしまう。
いつか、わしも・・・。
ええ刺激をいただきました。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ半。
「罪名、一万年愛す」
吉田修一 著。
九十九島を舞台に とある有名一族の物語
遠刈田蘭平、探偵登場。
依頼人は梅田豊大。
佐賀市内で、呉服問屋での下働きから身を起こし、今は福岡天神に梅田丸百貨店を
構える他、手広く商いをしている祖父、梅田壮吾に関する依頼らしい。
壮吾の挙動がおかしいという。
夜な夜なありもしない宝石を探すということ。
その宝石は名付けて「一万年愛す」。
父一雄がさるオークションで落札したルビーのペンダントで今では35、6億円もするらしい。
なんだかチャラそうなドタバタミステリーめいて始まる。
ヘリコプターで九十九島へ。野良島。ヘリポートへ降り立つ。
同行したの。坂巻警部 世間を騒がせた失踪事件の容疑者だった梅田壮吾と
当時の担当刑事という関係だ。不思議なことにいまだに親交が続いている。
なぜか。
島には、家族が全員集合してる。
島の管理人は三上譲治。
夕食会が始まる。なんとドレスコードが。それは白。
壮吾の米寿の祝いの会なのだ。
なごやかに盛り上がる。
そして、夜になった。
嵐の予感。
そして、壮吾が消えた。
事件が始まった。
最初は簡単に考えてた。
しかし、これは仕組まれたものなのか?
いったい誰が?
台風がひどくなる。直撃か?
嵐のなかに何が起こる?
残されたDVD,「人間の証明」、「砂の器」、「飢餓海峡」。
もしかしたら、これって何かの暗示?
なにかに誘導されてる?
だんだん面白くなってきた。
本格ミステリーが始まる予感。
まんまと作者の手の内に乗ってしまいそう。
謎が解かれると、また次の謎が。
どんどん過去に遡るのか。
あの失踪主婦の事件に関係ありそう。
壮吾との関係は?
嵐の島のなかで、推理が。
どんどん惹き込まれる。
とても面白い。
島は向かいにもある。もしかしたら。
そして、嵐のなかの冒険が?
すこしずつ、何かが・・・?
とても面白い。
上野の駅で少年たちが見たものは?
地底人の逆襲?
みっちゃんとケロ?
最後まで一気に奔る。
とても良い。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ半。
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