最近読んだ本、「われら闇より天を見る」、「荒地の家族」。

  • 2023年4月28日
  • 28人

われら闇より天を見る

クリス・ウィタカー著。

あじあん

ダッチェスの哀しみが心を打つ。

読み終わってから初めてこの本がミステリーであったと気がついた。

謎解きよりももっともっと心惹かれる話がここにあった。

カリフォルニア、カブリロ・ハイウェイ、ケープ・ヘィヴンから先のあの完璧な数キロ、瞬きするたびに絶景が見えるので、国の反対側から人々がやってきては家を買い1年のうち10ヶ月は空き家にしておく。そんな楽園のような場所だ。

母親スターがまた倒れてる。死んではいない。自殺未遂?

途方にくれる娘、ダッチェス。弟のロビンは彼女が面倒を見るしかない?

「私は無法者よ」というのがダッチェスの口癖。

スターは飲んだくれていつも面倒を起こす。

こんどの揉め事の相手は、いつもの不動産屋のダーク? それとも肉屋のミルトン?

車自慢のブランドン?

美人の彼女は皆に狙われてる。しかし、体は売ってない。

ウォーク署長はそれとなく、彼女の家族を見守ってる。なぜ?

ある日、ヴィンセントが30年ぶりに出所してきた。

いったいあの時何があったのか。シシーを殺したのは本当にヴィンセントなのか?

ウォークはヴィンセントの親友だ。あれから30年皆が立ち直れないのか?

ウォークのパーキンソン病はひどくなるばかり。

母が殴られて帰ってきた。またダークか?ダッチェスが切れた。

ダークの店に火をつける。しかしダークではなかった。

誰と誰がどうなってる? 憎しみの連鎖が絡み合ってる?

そして、とうとう悲劇が起こった。

ウォークが巡回中にスターの家がおかしいのに気がついた。中に入るとヴィンセントがいた。

そしてスターが死んでる?

ロビンもいた。そこへダッチェスが帰ってきた。

いったい何が起こったのか?

姉弟はこれからどうなるのか?

モンタナの農場で暮らすスターの父ハルのもとに引き取られる。

これで、田舎でのんびりと安全な暮らしになるのか?

彼らを見捨てていたはずのハルとの暮らしとは?

もしかしてダッチェスは追われてる?

ダッチェスは田舎でも「無法者?」?

私は無法者のダッチェス・デイ・ラドリー。悲しい強がり?

ウォークは真相を追う。本当にヴィンセントなのか?

元恋人、マーサ・メイは弁護士として助けてくれるのか?

真相はとても遠くにありそうだ。

そして又、悲劇が。

ハルが?・・・・

ダッチェスがんばれ! 負けるな!

真犯人は誰なのか? 裁判の行くへどうなる?

ダッチェスはカリフォルニアにたどり着くのか?

ダッチェスに恋した少年は?

ロビンは?

とても面白い、ロードムービーみたい。

でも、やっぱりミステリーだった。

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星5つ。

荒地の家族

佐藤厚志著

あじあん

壊れていく人たち。

剪定、造園、草刈り、庭掃除、なんでもやる一人親方で奮闘の裕治が抱えているものは。

未だに知加子との離婚が受け入れられない?

さらに死んだ妻、晴美の喪失感から抜けられない?

仕事に逃げるだけの日々に救いはあるのか?

あの日、一瞬で全てを奪った大波が、彼の心も打ち砕いてしまった?

何かと助けてくれる父の友人、河原木六郎。

その息子、明夫とも幼馴染のはず?

しかし、なにかが食い違ってしまってる。

彼の心も痛んでしまっているのか?

あの日、一瞬で全てを奪った大波が、別れた妻と子を連れて行ってしまった。

切ない話だ。辛い話。

そんな重荷に向き合えないで、また、新たな重荷を作っていく。

すべては俺のせいだ。

暗い、やるせない話を淡々と綴りながら物語がたちあがっていく。

筆の力はすごいなあ。

でも、難しい。

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星3つ半。

あじあんじゃんくしょん
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