「アンサンブル」
志川節子 著
「カチューチャかわいや別れのつらさ せめて淡雪とけぬ間と 神にねがひをララかけましょか」
日本の歌はここから始まった? 知らんけど。
長野の田舎から出てきた、中山晋平は縁あって島村抱月(瀧太郎)の家の書生となる。
そこは、時代を切り拓く気鋭の文学者の家。
毎日が刺激に満ちている。
坪内逍遥が切り開いた演劇の世界。文芸協会、演劇研究所。
そこで抱月は、それを花開かせようと意気盛ん。
晋平も早稲田文学にのめりこんでいく。
あたらしい世界が始まる。時代が変わる。沸き立つ若者たち。
そして、女王登場。
松井須磨子は無敵!自由奔放! さて?
振り回される抱月。 妻はどうした? 家庭は?
舞台は人形の家から。
恋に狂うか抱月。
晋平やまわりのものも巻き込んで大騒ぎ。
松井須磨子の人気は絶好調。
そして、スキャンダルの真っ只中。
まあちゃんへ キッスキッス・・・
抱月危うし。
晋平も、騒ぎとは無縁でいられない。
音楽修行はなかなか身を結ばない。
そんなところに、「復活」の劇中歌を作るよう命じられた。
さあ、大ちゃんす!
意気込む割には出てこない!
開演が迫る。出ない・・ 困った。
もう、あかん。突然・・・ できたか!
とても面白い。
そして、日本中に晋平の歌が・・・
とても面白い。
日本の新しい歌が生まれた。
新しい時代が始まった。
とても面白い。
ゴンドラの歌 さすらひの歌 今度生まれたら
とても面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ半。
「海を破る者」。
今村翔吾 著。
「二度目の国難か。海の向こうの大陸から恐ろしい軍隊が攻めてくる」
福岡市にある大野城というところに行ったことがある。
太宰府天満宮の近くにある小高い丘に上に古代の城跡があった。
これは、昔、天智天皇の頃、日本が朝鮮まで派兵して、白村江の戦いで惨敗した後、
朝鮮半島からの反撃、侵攻に備えるために作られた防御拠点らしい。
いかにもそういう場所にある。
岡山県にある鬼ノ城というところにも行ったことがある。ここも同じ、朝鮮半島からの侵攻に備えるための拠点だったらしい。
いかにそれを当時の政府が、現実のこととして恐れていたというのがよくわかった。
大陸と、朝鮮半島に対する戦いは昔からあったし、こちらから攻めたこともあった。
向こうから大掛かりに攻めてきたことは結局はなかった。
しかし、大陸に元という国ができた。
世界中、全方向に向かって、攻めまくる恐ろしく攻撃的な国だ。
そして、とうとう本格的にやってきた。
何と恐ろしい。
一度目は、予期せぬ台風の助けもあって、ほとんど戦わずして相手が引き上げたような形で終わった。
二度目がまたある。こんどはそうはいかん。
国を挙げて守らんとあかん。
しかし、体勢はできているのか。
御家人たちは、結構疲弊してる。
伊予に河野家という御家人がいる。
一旦は没落したけど、また頑張ってる。
持ち直せるかと思える頃、また、血肉の争い。
河野家は水軍としての面目がある。
家は再興できるのか。
血族は団結できるのか。
元との争いに参加できるのか。
朝鮮から流れてきた男。西域から流浪の美女、金髪、碧眼。
さて、戦いは?
面白いけど、なんだか中途半端。
なんだか、むずむずする。
なんか、物足りん。
盛りだくさんすぎるわりには、集中できん。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
ブログランキングに参加していますよかったらポチンとお願いいたします。