最近読んだ本、「ノースライト」、「検事の信義」

  • 2020年1月14日
  • 1人

横山秀夫、「ノースライト」

山間の雑木林の中、自然の中に溶け込むような静かな佇まい。
小さな造り、どこか変形しているような。それでいてみごとなバランスが。
光は南面からこうこうと指してくる。
というのではない。北側の明り取りから今に静かに差し込んでくる。
青瀬の渾身の設計だった。平成すまい200選にも選ばれた。
注文主も十分に満足してくれた。
そのはずだった。しかし、そのY邸に今は誰が住んでいるのか?
バブルが弾けてのち、建築士の仕事は急速に厳しくなって行った。色んな仕事を
転々としたあと、青瀬はやっと岡嶋設計事務所に拾ってもらった。
その間に妻とも別れてしまった。
時たま娘と会うのが楽しみだ。
そんな暮らしの中に、またY邸が現れた。
一度見に行こう。何かおかしい。
やっぱり無人の家だ。押し入るようにして入った家には家具一つないではないか。
電話機と椅子一脚。それも、まぎれもなく「ブルーノ・タウト」の設計した椅子だ。
何だこれは。なぜタウトなのか?
一方、岡嶋設計事務所に新しい仕事の話が舞い込んできた。
ある画家の記念館をつくるというコンペだ。岡嶋が全身全霊を掛けて挑んでいる。
青瀬も職員一同もこれに掛けている。
無人のY邸にまつわる動きがでてきた。謎がほぐれ、また深まっていく。
タウトはどうからむのか?
コンペはどうなるのか?
とても面白い。
建築の世界にもぐんぐんと惹き込まれる。
こんな椅子欲しくなる。
こんな家欲しくなる。
ノースライト、感じてみたい!

柚月裕子、「検事の信義」

あんまりテレビは見ないんでようわからんかったけど、この人の作品ってすごい
人気なんやね。このシリーズも結構テレビドラマ化されてるみたい。
それはようわかる。話の展開がスピーディやし、わかりやすい。
エエモンと悪モンがはっきりしてる。主人公に肩入れしたくなるキャラクターが
うまく描かれてる。あまり知られてない検察事情がよくわかって面白い。
等々だ。
罪はまっとうに裁かれなければならない
これは短編集。
裁きを望む
遺産相続さわぎのどさくさ。高価な時計を盗んだ容疑で捕まった
芳賀被告は結局無罪に。
しかし、遺言書の書き換えが発覚。非嫡出子の苦しみにまつわる犯罪だったか?
恨みを刻む
ママ美貴の通報で捕まった室田被告。
しかし何かがおかしい。
覚醒剤中毒は本当は誰なのか?
鴻城巡査部長とは何者なのか?
正義を質す
秋霜烈日
暴力団幹部
溝口保釈
信義を守る
認知症を患ってた母親を介護の疲れから殺した容疑で逮捕された息子。
しかし、なぜ逃げなかった。
空白の2時間の間に何をしてたのか?
詳しく調べると意外な事実が見えてきた。
もしかしたら宗教がからんだことだったのか?

佐方検事の事件簿。
佐方検事の推理が冴える。

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ありがとうございました。