最近読んだ本、「熊野集」、「鏡の迷宮 パリ警視庁怪事件捜査室」。

  • 2024年6月28日
  • 23人

熊野集

中上健次 著

あじあん

まるで泉鏡花のような、上田秋成のような、深沢七郎のような。

まるで泉鏡花のような、上田秋成のような、深沢七郎のような、怖くて、気持ち悪くて、おどろおどろしい世界。

そして哀しい。

秘境熊野、神々の宿る魂の地に、こんな世界がある。

いにしえの語り継がれた物語。

作家が紡ぎ出した、今の世の暮らしの中にうごめく闇。

筆の力は容赦ない。

恐ろしい。

不死

 熊野の山の中を彷徨う被慈利ひじり。自らを逆さ吊りにしても死なない、死ねない。滝に打たれても悟りがひらけない。不思議な女に出会う。大人の体、赤子の手。上人さま助けてください。魔性の女? 観音様の化身?

桜川

 作家と熊野を繋ぐものは?

 路地の暮らし? 被差別の暮らし? 熊野の山の中には?

アメリカから帰って?

蝶鳥ちょうとり

 上田秋成「夢応の鯉魚」?  天の魚を飼っていた兄弟の話?

17になる路地の娘が23の青年と新宮から新鹿へ行く途中にある七里御浜で入水心中した

なぜ?路地に昔からあるクドキ「兄妹心中」? なぜ?

花郎ふあらむ

 韓国への思い 路地の暮らし ヤンビル 韓国人集落 銅やシンチュウを漁る?

 好きですともいわずにいきなり髪をひっぱる。

海神

 路地がこのような目にあうのはそもそも、大逆事件の頃からはじまっているのだった。

・・・

石橋

・・・

妖霊星

・・・

勝浦

 京の西陣、桓武天皇の頃からの染物屋 商いが上手くいかないわけでもないし、金繰りに困ったわけでもないのに店を畳んで娘のトヨをつれて天王寺から白浜へ・・・

なぜ? 体の腫れ物? 生肝食えば? 血で染めた着物?

・・・

鬼の話

 京に都があった頃、近江の国の辰巳橋に鬼が棲みついてそこを通りかかる人馬区別なく噛みちぎり取って食うという噂・・・

強盗団の首領は? 荒くれ者とさる後期なお方・・・

月と不死

 被慈利がいた。牛一頭なんなく担ぐ、僧にもあるまじき荒くれもの。五穀断ち、足首くくってぶらさがるも成仏できない。

あるひ、山の中で商人が道に迷った。松坂まで行きたいが山の中に魔界がある。

そして、被慈利は?

そして、魔界は?

とても面白い。

偸盗の桜

葺き籠り

熊の背中に乗って

すばらしい。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ半。

鏡の迷宮 パリ警視庁怪事件捜査室

エリック・ファシエ 著。

あじあん

それは、なんとも奇妙な自殺だった。

7月革命の熱狂が冷めやらぬパリの街。

新興の大金持シャルル=マリー・ドヴェルニュの館の大宴会。

その最中に、まさに婚約を発表しようとしていた息子のリュシュアンが身を投げて死んだ。

いったい何があったのか?

幸福の絶頂であったはずの彼になにがあったのか。

自殺そのものは疑い用がない。しかし、あまりのも不可解。

ヴァランタン・ヴェルヌ警部がその背景を捜査するよう命じられた。

王党派と革命派。不安定な政治の中で権力の争いが絡んでおきたことなのか?

それともパリの街の裏社会に蠢く悪魔の不興を買ったのか?

そして敏腕の警部、ヴァランタンにも複雑な過去があるのか?

ダミアンを救わねば・・・ ヴァランタンが背負ったものとは?

リュシュアンは何故笑って死んだのか・・ いかにも幸福そうに・・・

そして鏡を見つけた。

美貌の女優、アグラエ・マルソー。

ヴァランタンは何度も彼女に助けられる。

そして、革命家の集会で・・・ 数学者ガロアが・・・

また、自殺者が・・・

なにか薬品が・・?

ダミアンは悪夢から??

ル・ヴィケールとは?

鏡の謎は???

とても面白い。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

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