「パープル・ハイビスカス」
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ著。
ナイジェリアの街。
カンビリはナイジェリアのエヌグという街に住んでいる15歳の少女。
彼女の目を通してナイジェリアの街と暮らしが立ち上がる。
父ユジーンは成功したビジネスマンだ。苦労した分、兄のジャジャにもカンビリにも教育は厳しいが優しい父でもある。
裕福な暮らし、何も不自由はない。しかし、なにかがザワザワする。
父は、ビジネスのかたわら新聞社を経営している。その論調は政府役人たちの不正を許さない姿勢だ。
断固として生きている。かっこいい。しかし、なんかザワザワする。
街の発展や貧しい人たちのために金をつかう。いろんな人たちを援助する。
申し分ない生き様だ。しかし。
父はとても厳格なキリスト教徒だ。とても厳格な生き方をしてる。異端をゆるさない。
出身のイボ族は聖霊を祀る。それが許せない。自身の父親さえ許さない。
こどもたちが戒律を破ったら? 考えられないほどのきつい罰が待っている。
なんだか窮屈そうだ。
キリスト教の神を熱愛してるのか? それともそれをもたらした欧米文化に心酔してるのか?
カンビリはある時、父の妹イフォオマおばさんの家に遊びにいく。おばさんは夫を亡くしているが、大学の講師をして二人の子供を育てている。豊かではないが、いとこたちはとても自由だ。
のびのびくらしている。
アフリカの暮らし、ナイジェリアの街角、エヌグやスッカの人々、食べ物、着るもの。
とてもワクワクしながら読む。
クーデターが起きる。不正のにおいがする。弾圧が始まる。
新聞社は大丈夫なのか?
おばさんの暮らしは? アメリカに移住しようか?
いろんなことが窮屈に?
そして、祖父、パパ・ンクウが病気になった。父はどうする? おばさんが引き取る?
そして、パパ・ンクウが死んだ。
:::本文より:::
帰ってきたらアッパに若いオレンジの木を植えるんだ。それにジャジャは紫色のハイビスカスも植えて、わたしはイクソラを植える。そうすれば花の蜜が吸えるから・・・・
目をあげると、綿毛を染めたような雲が低く垂れ込めている。手を伸ばせばとどきそうなほど低い。この手でで雲の水分を握りしめることだったできそうだ。そうすぐ、まっさらな雨が降るのだろう。・・・
とても良い。
良い本を読んだという気持ちになる。
いつか、アフリカに行ってみたい。
わしの勝手なおすすめ度。
星4つ半。
「赤と青とエスキース」
青山美智子著
絵にまつわる物語はなんだか興味がある。
プロローグ
1章 金魚とカワセミ
レイは交換留学生でオーストラリア、メルボルンに来ている。しかし、こちらの暮らしになかなか馴染めない。
そんな中で、ブーと呼ばれる若者と出会った。気軽にナンパしてまわるチャラいやつ?
どこか惹かれる。本当は?
ある日、ブーに頼まれてジャック・ジャクソンという売れない画家の絵のモデルをすることになった。
本格的なやつではなくてエスキースという約束だ。赤いブラウスの女? 金魚みたい?
1年、期間限定のお付き合いって?
2章 東京タワーとアーツ・センター
額縁工房「アルプス工房」で働く空知、ある時、あるイベントの額作りをまかされることに。
社長の村崎さんはなんでも好きにやっていいよっていう。
ジャック・ジャクソンの水彩画のエクキースが気になった。これって、メルボルンで出会った画家ではないか?
とても気に入った。これに合う額を作ってみよう。命懸けでつくるのだ。
さて_メルボルン アーツセンターと東京タワー。
3章 トマトジュースとバタフライピー
砂川凌は下水管に住むモンスターを描いた「ブラック・マンホール」ウルトラ・マンガ大賞を受賞した。
タカシマ剣さんのアシスタントをしていた関係で雑誌DAP社から師弟取材の申し込みを受けた。
喫茶店カドルで対談。そこには変なマスターとウェイトレス。
もしかして元画商? ジャック・ジャクソンの絵との関係は?
バタフライピー(青いお茶)を飲みながら、デビュー秘話を語る?
4章 赤鬼と青鬼
50歳すぎてから輸入雑貨店リリアルで働く女。
突然海外出張? パスポートが要る。別れた夫にところに置いてきた。
突然、パニック症候群?
突然の発作? 猫が癒してくれる?
茜と蒼。
エピローグ
ブルーがブー 茜がレッド でレイ
赤と青とエスキースのお話。
面白いような。ちゃらいような。深いような。浅いような。
面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
わしの勝手なおすすめ度。
星3つ。