「十角館の殺人」
絢辻行人 著
謎の十角館、仲間が次々と殺されていく。次は誰だ。
舞台は謎の無人島。角島。
ある日、ある時、K**大学推理小説研究会の面々があの十角館で合宿することになった。
そこには、有名な建築家、中村青司の青屋敷があったところだ。半年前に火事があって、中村青司夫婦と使用人夫妻が焼死したいわくつきの場所でもある。しかもそれは謎の四重殺人と言われている。その島にやはり中村青司が作った十角館という節来な形の建物が残っている。
そこで、何を?
何のために?
誰が考えた?
推理マニアたちにはもってこいの場所ではないか?
エラリィ(・クイーン)、(ディクスン・)カー、(ガストン・)ルルウ、(エドガー・アラン・)ポー、アガサ(・クリスティ)、(パロネス・)オルツィ、ヴァン(・ダイン)。
有名な推理作家の名前をニックネームにした7人が集まった。
正十角形の不思議な建物。
それぞれが部屋に入る。
なんだか謎めいた家だ。
日が暮れる。一夜明ける。
そして、いきなりオルツィが殺された。何故? どうやって?
絞殺されたか? しかも左手がない? 何故?
名探偵たちの推理が始まる。
しかし・・・・
そして、また、次が???
アガサか???
まるで、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」そっくりではないか?
なんとなくチャラいかなあ?
読んでるうちに、どんどん伏線がふくらんで・・・
なかなかええとこもあるなあ・・・
江南(かわみなみ)ーコナン・ドイル 守須 恭一、この人たちは誰だ?
手紙を受け取った?
「お前たちが殺した千織・・・」とは何のこと?
島の外で起きている事は?
一気に盛り上がってくる。
島では次々に殺人が・・・???
とても面白い。
そして、次々と意外な事実が・・・・
最後のどんでん返しが・・??
もっと意外なことが??
とても楽しめる。
でもまあ、ちょっとがっかりでもあるかなあ。
謎解きの複雑さや意外性にばっかり向かってる?
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
「紀州 木の国・根の国物語」
中上健次 著。
”切って血の出る物語”。隠国・紀州の光と影を描く。
紀行文? ルポルタージュ?
とてつもなく重くて、鋭い。暗い闇をえぐるような・・・。
同郷の人。同年代の人。
芥川賞作家。
とても興味がある。すごい人。
もちろん旅の本ではあるが、わしの好きなような旅ではない。
その地の暮らしをえぐり、心の中をえぐるような・・
わしのような意識低い系の爺さんにはかなり重くて難しい。
でも惹かれる。
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紀州、そこは、神武東征以来、敗れた者らが棲むもう一つの国家で、鬼らが跋扈する鬼州、霊気の満ちる気州だ。そこに生きる人々が生の言葉で語る、”切って血の出る物語”。隠国・紀州の光と影を描く。
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新宮
異貌の国、大和に平定された隠国というのがふさわしい、と思った。
熊野信仰の中心地でもあったら寺社町であり、紀州藩水野出雲守が治める城下町であった。
交通の宿場町。商業も町。
とらえどころがない観光の町にしようとしても見るべきものがない。温泉もでない。
大逆事件 紀州グループ 大石誠之助 成石平四郎
天満
三輪崎 上田秋成「蛇性の淫」昭和19年の地震 津波
柳田國男「毛坊主考」
古座
「キンジニヤニヤ」弁当持って 石垣に腰掛けて おにぎり 石垣の間に入って 大きな穴
大きな車街道の道 もちつきおの音 ネズミがもちつき
キンジニヤニヤ猫の声すればよー ここは袋の御用ねずみよー
飯食べろ 泊まっていけ 重いものほしか 軽いものほしか 軽いもの 大判小判がどっさり
欲じいさんは 鼠浄土の物語
紀伊大島
新宮の祭りは、速玉神社に大島の権現島の萱の穂と、大島の海でとれたカケノイオを奉納して、やっと始まる。
自衛隊のレーダー基地 マレビト伝説 マレビト基地 神武東征の名残
和深
枯木灘がある
行ったことのある地が多い。
住んだことのある地もある。
掘り下げればこんなものが出てくる土地であったのか・・
深いですなあ。
この人の紀州シリーズ、全部読まなくては。
わしの勝手なおすすめ度。
星五つ。
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