先日、北京に行った時買った本です。紙も上質だし、装丁や印刷も綺麗です。日本で言う和綴じ本で、なかなか好い雰囲気です。
中国では、古典の復刻をこういう形の少し豪華本ぽく発行しているようです。1セット数千円するので日本価格からすると安いですが、中国では高価な本です。
「史記」とか「資治通鑑」とか「紅楼夢」、「西遊記」など有名な歴史書や文学書がでているようです。
中身を読めるわけではないけれど、雰囲気にひたりたいので、いつも買おうと思うのですが、どの店でも十分に揃っているわけではないし、重くて嵩張るのでなかなか決心できません。
次回も、何か買ってこようと思っています。
今回、買ったのは、「唐宋八大家集」ですが、第2巻の欧陽脩のところが見たかったのです。最近、欧陽脩の、『醉翁亭記』を少し読んで、すばらしい文だと思ったのです。
簡潔でリズムがあって力強い文章だと思います。
除をめぐりて皆山也。其の西南の諸峰、林ガクもっとも美しく、之を望むにイ然として深秀なる者は琅邪也。
山行六七里、漸く水声のセンセンとして両峰の間にそそぎ出ずるを聞く者は醸泉也。
峰をめぐり、路転じて、亭の翼然として泉上に臨んで有るは醉翁亭也。
亭を作る者は誰ぞ。山の僧、智センと曰う也。之を名づく者は誰ぞ。太守自ら謂う也。太守は客と来たって、此処に飲む。
飲むことわずかにしてスナワチ酔い、しかも年又最も高し。
故に自ら号して、醉翁と曰う也。・・・・・
この文を読んで、故郷、和歌山を思い出しました。
少し奥に入れば深山幽谷があります。
清らかな水があります。
その水からおいしい酒ができます。
こういう自然を彷彿とさせる文でした。
残念ながら、この「唐宋八大家集」には、『醉翁亭記』は入っていませんでした。
欧陽脩の他の本を探さないといけません。
日本では、こういう本は、古本屋で探さないと、もうありません。
最近は日本も、本という文化からいうと貧しい国になってきたように感じます。
毎週月曜は、こだわりのモノの話です。