九度山暮らしのある日、松花堂美術館内、「旅する拓本」展を見た。

松花堂美術館内、「旅する拓本」展を見た。

拓本というのはやったことがない。
篆刻をやるときに側款と言って、印を彫った石の側面に反体字ではなく正文字で
作成日や作者名などを掘ることが多い。刻印は印泥をつけて紙に押すんやけど
正文字の側款は拓をとる。
どうするかといえば、上から紙を押し付けて、表面をゴシゴシやって、凹みを浮き上がらせたら、
墨をつけたタンポンでポンポンやると凹み以外のところが黒くなる。
あんまり上手にはできへんけど、側款を彫ってはじめて篆刻は完成と言われてるんで
正式にはやらんとあかん。わしは適当やけど。
これを大掛かりにしたものが拓本だ。
石碑みたいな平面的なものから、お地蔵さんみたいな立体的なものまで、いろんな技を
駆使して、紙の上に凹凸を掬い取ってみせる。
それに、おなじように、上から墨をつけたタンポンをポンポンやると文字やら、形やらが
浮かび上がる。
言うほど簡単ではない。
やったことないけど、それくらいはわかる。
しかし、出来上がったものはとても良い。前からずっと気になってた。
中国などを旅行すると、古の有名な文人が残した書の石碑に出会う事が多い。というか
それを狙って旅をしたりする。
そういう場所は観光名所でもあり、お土産屋さんなどがある。そして、その石碑の
拓本を必ず売っている。こんな国宝級の石碑で拓本採ってもええん? 擦り減るやんかと
いつも思ってたけど、きっと拓本用の複製を作ってはるに違いない。
ならば、本物の拓本を採るにはどうしたらいいか?
特に、石仏などの立体的なやつはどうするのか?
とても気になってたし、いつか機会があればやってみたいと思ってもいる。
今回は、日本国内や海外のいろんな場所で自ら拓をとったり、特別ルートから
入手したりしたものを展示しているのだ。

山辺の道やらの野仏がある。
ええなあ、こんなん採れたらとても良い。
カンボジアなどの仏教遺跡の拓もある。

なんと素晴らしい。こういう拓を自由にとれたら良いやろなあって思う。
しかし、どれもこれも貴重な文化財やから、昔はともかく、今は全く不可能だ。
山中にあって、誰が所有者かわからん野仏とかは、とってもええんやろか?
持ち主の許可ってもらえるんやろか?
自分でやるにはいろいろとハードルが高い。
もちろん技術の問題もある。
それはこのあとワークショップがあって、少しはヒントが得られるかもしれん。
この世界も面白そう。

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ありがとうございました。