「ふりさけ見れば 上下」。
阿部龍太郎 著。
「日本『国』の礎を築くため、検討しに託された密命とは」。
遣唐使、阿倍仲麻呂は唐の都、長安で大活躍。
とうとうあの難関、科挙の試験にも合格して、高級官僚の道をまっしぐらに進んでる。
妻、張若晴の叔父、張九齢の助力もあって、次々と要職をゲットする。
時はあたかも玄宗皇帝と楊貴妃の時代。
わしでも知ってる絢爛豪華な時代の話だ。
話は変わるけど、コロナの直前に中国に旅行する計画をしていた。
昔の唐の都、長安、今の西安だ。
残念ながらその計画は、コロナ騒ぎで断念せざると得なくなってしまった。
その時に、井真成の碑を見に行くのを楽しみにしていたのだ。
はるか昔、遣唐使の一員として中国に来て、人知れず亡くなったこの人が、近年、追悼の石碑が発見されて話題になっていたからだ。
その人物がここに登場する。
全然知らんかったけど同時代の人やったんや。
そして、吉備真備も。
なんとかの有名な詩人「王維」と同僚やったとは。
晁衡(阿倍仲麻呂)君、王維君と呼び合う仲だったとは。
壮大な歴史小説と思いきや、なんとミステリーみたいではないか。
さて、どうやら、代々の遣唐使たちには密命を帯びてきたものがいるらしい。
そのものたちは、唐に残って、あるものを探らねばならないらしい。
果たしてそれはなにか?
日本という国家を揺るがすものなのか?
密命を帯びた者とは誰なのか?
唐の玄宗皇帝、宦官の長、高力士、とりまく高官たち。彼らの間を阿倍仲麻呂が大活躍。
頭脳明晰、力持ち、文章抜群のスーパースターだ。
しかも女性にモテる。
言うことなし。
さて、かれがその秘密を解き明かすのか?
唐の国を去る時が近づいた。
阿倍仲麻呂、吉備真備、井真成、みんな一緒に帰るのか? 帰れるのか?
妻はどうなる? 子供はどうなる?
そして、密命はどうなる?
それは果されたのか?
果されなければ誰が引き継ぐのか?
唐の都も忙しい。
楊貴妃の運命は? そして大きな乱が起こるのか?
興慶宮、沈香亭、華清池、行ったことがあるんで面白い。
阿倍仲麻呂の活躍が続く。
まさにスーパースター。
いやはや。
仲麻呂は宮廷の高官に上り詰めることができるか?
彼に託された使命とはなにか?
玄宗皇帝と楊貴妃の波乱の日々。
吉備真備は帰国してどうなるのか?
彼に託されたものは?
彼は日本で大活躍? 大暗躍?
いやはや。
とても面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
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