最近読んだ本、「隔離の島」、「私たちの幸せな時間」

  • 2014年4月2日
  • 2人
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ル・クレジオ、「隔離の島」
前に「飢えのリトルネロ」と言うのを読んだ時、難しい本やと思た。今回も
難しい。現実の流れと物思いの中の世界と、現在と過去と未来ともつれて錯
綜していつかまたつながっていく。
いきなりランボーが出てくる。まるで関係ないようでいていつかまた絡んで
くる。
レオンはジャックとシュザンヌと一緒にフランスからモーリシャスに行く途
中だ。しかし、船の上で天然痘が発生した。乗客は皆、小島に降ろされる。
隔離の暮らしがはじまるのだ。十分な薬や食料がないなか、天然痘に感染し
た人たちは次々に死んでいく。島には貧しいインド人達がいる。
レオンはそこの娘シュルヤと親しくなった。瀕死の床にあるシュルヤの母に
イギリスの話をする。母とイギリスはどうつながっているのか。彼女の歴史
の中にあるものはなにか。物語は複雑で面白い。

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孔枝泳(コン・ジョン)(蓮池薫訳)、「私たちの幸せな時間」
金持ちのどら娘は大きな心の傷を抱えている。自殺未遂を繰り返すが死に切れ
ない。身勝手な暮らしをしていても親の庇護で世の中からは弾き出されず、有
名な歌手であって学校の教授でもある。
しかし、そんな自分を許せないで又自殺に走ろうとする。
そんなある日、叔母に毎週一緒に行く事を約束させられたのは死刑囚の拘置所
だ。女を犯し、子供を殺した極悪非道の男だ。
叔母と三人で会っているうちに何かが変わっていく。
彼女にも男にも・・・・・・
映画にもなったベストセラーの本らしい。物語創りがものすごくうまいと思う。
生きること、死ぬこと、人を愛すること、重い課題にぐりぐりとほりさげてい
く姿勢は読んでいてすごいなと思いながらも時にはしんどくなるようでもある。
クライマックスつくりがやりすぎなんちゃうやろかと思ってしまうほど、よく
できた話でもある。
この本も蓮池さんの翻訳だ。本の内容もええんやろけど、翻訳者の人柄が話の
勢いをうまくコントロールしてるのではないやろか。

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ありがとうございました。