福岡伸一、「生物と無生物のあいだ」
科学書がこんなにミステリアスで興奮できるものだとは思わなかった。
生物と無生物の違いは何だ。
DNA発見のドラマ。科学者の戦い。
DNAとは何するもの。
興味はつきない。どんどんと引き込まれていく。
あらゆる細胞は、波打ち際に戯れで作られた砂の城が波に洗われる時、
その城の形は変わらなくて波に一緒に運ばれてきた新しい砂と
どんどん置き換わっていくのだと考えたらいいという話。
目からうろこだ。
内田百閒、「第二阿房列車」
何という事だ。こういう本が昭和28年頃には出ていたんだ。
すごい文章力とにじみ出るユーモア。
ヒマラヤ山系をお供に百閒先生絶好調だ。
今回は新潟の旅、九州の旅だ。
生まれ故郷の岡山を通った時、旧友が尋ねてきて、
「・・・・・・・・
早咲きの桜の小枝を馬上杯に生けたのを持って、車内に入り、
私の座席に釣るしてくれた。桜の枝は博多のホテルまで持って行き、
馬上杯は東京へ持って帰った。
・・・・・・・・」
こういう景色味があるね。
これは、備前焼?
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。