最近読んだ本、「羊と鋼の森」、「エトワール広場/夜のロンド」

  • 2016年12月12日
  • 2人
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宮下奈都、「羊と鋼の森」
最初はけったいなタイトルやなあって思った。読んでると、ピアノの調律師の
話だ。ということは羊はピアノのハンマーにつける羊毛で、鋼はピアノの弦、
森は材料の木ということか、それとも故郷北海道の森のことかと理解できる。
だから何かというのはようわからん。
最初は、なかなか入りづらい感じで読んでたけど、途中からぐんぐん惹きつけ
られた。
北海道の寒村出身の高校生外村、将来の夢も目標も定まらない。ある日、学校の
体育館でピアノの調律をしていた板取と出会う。外村の頭の中に故郷の森が浮かび
あがった。これだ。この道を目指そう。
ということで、卒業後、専門学校に行って、幸い、板取のいる楽器店に就職できた。
外村の調律師修行の始まりだ。しかし、プロの道は厳しい。いつまでたっても
彼の調律の音からは森の風景が浮かび上がらない。
彼の周りには、すごい人たちが沢山いる。有名なピアノ奏者から名指しでコンサート
の調律を任される人もいる。元ピアニストもいる。先輩たちにもまれながら少し
ずつ何かをつかんでいけるのだろうか?
ある日、双子の姉妹のピアノの調律に立ち会うことになった。2人はとても対照的だ。
1人は地味で控え目、1人は明るく派手目、どうしても派手目の娘の弾く音が
際立つのだろうか?
そして、ある日、波風が立つ。双子のピアノはどうなっていくのだろう。先輩達の
歩む道は? 外村はどういう音に出会って、どういう音を創れるようになる?
地味な世界を描いてるようでいて、結構奥が深い。
とても面白い。

hon161212-1

パトリック・モディアノ、「エトワール広場/夜のロンド」
ノーベル賞ーパリーエトワール広場なんて言葉の連想で、珠玉の文章がならんでん
かと思って読み始めたら、えらいきつい本だった。後で見たら、衝撃のデビュー作で
あり最大の問題作とあった。わしら程度の常識を逆なでし、嘲笑う様な強烈さだ。
ナチス占領下のパリが舞台、カッコいいレジスタンスの志士なんて出てきいへん。
ユダヤ人でありながらユダヤ人を貶めてゲシュタポに協力するもの、反ユダヤの
ビジネスをするもの、脱走兵、闇商人、人身売買、あらゆる悪い人たちが現れる。
そして、簡単にいえば面白くない。
読むべき名作かもしれんけど、わしには良さがようわからん。
読んでいて心がざわつく。
ノーベル文学賞なんてもっと格調の高い文学が貰って欲しいと思う。
ことしの受賞もなんかおかしいと思う。
政治色が強くなってるんやろか?
今年はディラン? 歌はすばらしいけど、文学賞?
出す方も貰う方も???

hon161212-3

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ありがとうございました。