最近読んだ本、「監禁面接」、「おじいさんに聞いた話」。

  • 2024年12月30日
  • 9人

「監禁面接」。

ピエール・ルメール 著。

あじあん

就職先企業の重役会議を襲撃せよ。それが最終試験である。

これは面白い。
意表をつくミステリー。とても斬新。
まじめだけがとりえのしがないサラリーマン、アラン。
それでも、愛する美しい妻がいる。娘たちも幸せに暮らしている。
理想の家も手に入れた。
しかし、世の荒波は容赦がない。
仕事がなくなってきた。なんとか食いつなぐための仕事を求めてあくせくしてる。
職場のいじめも耐え難い。とうとう爆発。
そして決定的な失業。そして、逆に会社から訴えられる。
いよいよ追い詰められた。
何とかせねば。
一筋の光明があるか? 最後の賭けのつもりの就職試験が何だかうまく進んでる?
なんだかしょぼい話が延々と続く。うんざりする。
ところが、途中から急展開。
うまくいってるはずの就職試験が、なんだか妖しい。
幹部候補の面接試験の試験官? その試験とは?
危機対応力? ギリギリの忠誠心? パニックに耐えられるか?
しかも、プロの元軍人を雇った、疑似監禁?
とても危ない? そんなことに巻き込まれていいのか?
しかし、もう崖っぷち。ほかに打つ手はない。
アランはどうするのか?
大事な娘の金にまで手をつけてしまった。
危機一髪のアラン。
とても面白い。どんでん返しの連発。
ハラハラドキドキ、暴力と頭脳の戦いが疾走する。
すばらしい。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ半。

「おじいさんに聞いた話」。

トーン・テレヘン 著。

 

あじあん

「正直に言えば」と祖父は言った。「わたしは”罪”が好きなんだ」

ロシア革命のあと、サンクトペテルブルグからオランダに逃れた祖父の語る昔話。
ロシアの話にハッピーエンドはない?
人生は悲惨で理不尽?
ロシアでは、どんな列車も目的地には着かない。
神は愛ではなく、悲しみだ。
わしに歯向かった犬を殺し尽くせと皇帝が言う。
おもしろい。
ほのぼのと、こころが温まる、そんな話はない。
いつか、虚しい。
いつか、哀しい。
それがロシアなのか?
パイプを片手にビターな話。
祖母は紅茶を淹れてくれた。
なかなかいい。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

あじあん

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