「ミス・サンシャイン」。
吉田修一 著。
「僕が恋したのは美しい80代の女性でした」
岡田一心は大学院生。ゼミの教授の紹介でアルバイトに行く。
行ってみれば、往年の大女優「和楽京子」、荷物整理の仕事だった。「鈴さん」て読んでくれればいいのよって軽く言うけど、ビクビクが止まらない。
住んでいるマンションとは別の、元の家に残された膨大な資料を仕分けしていらないものは捨てていくのが彼の仕事だ。
さすが、大女優、いまでも色っぽい。とても魅力的。
さすが、大女優、いきなりの資料の数々に圧倒される。
彼女のデビューって?
戦後すぐの頃? いかなる幸運が?
カンヌ映画祭で日本人初めての栄光をゲット。光り輝く世界が?
和楽京子評伝~肉体派アプレ女優の誕生。アプレゲールと言われた女。
波瀾万丈の人生が溢れる資料から飛び出してくる。
その間に、一心は恋におちた。カフェの桃ちゃん。
苦しい恋だ。相手には恋人がいる。
しかし、なんとなくうまく行ってない? チャンスあり?
それにしても、いったい?
大女優記録発掘は進んでいく。
今度は日本人で初めてアカデミー賞にノミネートされた時のやつだ。
なんという晴れ舞台、日本中が沸いた。
とうとう世界が舞台になったか? その影に不思議な女性の名前が・・
本当は、女優デビューは別の人だった? あの夏の日に何が起きた?
はかない生涯? 代わりに生きて?
彼の恋は? 妹のことが・・・・
代わりに生きて・・・
とても、わかりやすくて面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
「司馬遼太郎 もうひとつの幕末史」。
朝日新聞出版その他。
司馬遼太郎ワールド。
松本良順、山内容堂、土方歳三、徳川慶喜、関寛斎、坂本龍馬、近藤勇、渋沢栄一、司馬凌海、井上薫、浜口梧陵、渋沢喜作。
ここでまた、司馬遼太郎ワールドが花開く。小説に因む場所の豊富な写真があって、余計に楽しい。
司馬遼太郎の世界は独特だ。とても魅力的やけど、とても個性がある。このまま引きずり込まれたら、歴史がこれに固まってしまうんちゃうやろか、それでええんやろか、なんて危惧しながらもついつい読んでしまう。そういうワールドの母体となった人たちをグラフィックに絵解きしてくれるような本でもあって、とても面白い。
しかも、安野光雅画伯の水彩画まで出てくる。
これはええですなあ。
文学の心を絵で表現してみる。あるいはその時のその場を絵で描いてみる。
こんなの描いてみたい。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
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