最近読んだ本、「未成年」、「戦場のコックたち」

  • 2016年11月18日
  • 30人
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イアン・マキューアン、「未成年」
イアン・マキューアン、この人の本は大好きで、いつも新刊が出るたびに読む
事にしている。いつも大人の知性と悲しみと叙情が感じられると思う。文章は
ドライブ感があってとても入って行きやすい。
フィオーナは老年を迎えたやり手の女性裁判官だ。仕事に熱中しすぎると夫に
不満が溜まる。その結果夫が家出? さてどうなる?
一方、こんども重要な案件がやってきた。アダムという少年が白血病に罹っている。
緊急に手術をしないと命が危ない。ところが何と言うことか、少年の家族は、
「エボバの証人」の信者なのだ。輸血を伴う手術は禁止されている。
治療にあたる医師団は少年の命を救うために強制的に手術をする許可を裁判所に
求めてきた。両親はどうなのか? 子供の意思が神の意思の通りならそれに従う
ことが望みなのか? 教団の指導者はどうなのか?
マスコミは固唾を呑んで判決を待っている。
フィオーナは少年の意思を確かめるため面会に行く。
イェーツの詩、「サリーの庭 」
アイルランド歌曲 ベンジャミン・ブリテン編曲
「川のほとりの草原に。恋人と私は立っていた。
もたれかかる私の肩に、彼女は雪のように白い手を置いた。
楽に生きて欲しいと彼女は言った。堰の上に生えてる草みたいに。
けれども私は若くて愚かだった、そして今涙にくれている 」
そして名判決が・・・?、
そして意外な結末が・・・?、
夫は帰ってくるのか?
とても面白い。

hon161118-1

深緑野分 、「戦場のコックたち」
軍隊暮らしをめぐる、あるいは食べ物をめぐるよもやま話しを面白おかしく
描いてるようなやつかなって漠然と想像してたけど、そういう面がないでは
ないけど、それ以上に、読めば読むほどどんどん惹きつけられるミステリー
作品であった。
第二次大戦に参戦した頃のアメリカ、ティモシー・コール通称ティムは、
時の勢いで軍に志願するが落ちこぼれて特技兵に配属、つまりコックさんなのだ。
しかし、戦時中だ。コックさんも戦争に行かねばならない。彼はパラシュート部隊に配属
されてノルマンディー上陸作戦に参加する。コックといえども前線投入だ。パラシュートで
降下して兵站業務に携わる。
戦線を移動しながら様々な事が起こる。戦争やから当たり前、とは言えない事も、
何かおかしい? 誰かが不正を働いてる? 謎が謎を呼ぶ?
このままではすまされない。仲間たちと力を合わせて謎を解く。エドは謎解きの名人だ。
しかし、次々の仲間は倒れて行く。
いつまで戦争は続くのだ。
民間人も戦争に巻き込まれて命を落とす。
しかし、本当に巻き込まれただけなのか?
謎解きはシリアスな状況も引き起こす。
そしてとうとう意外な事実が・・・
最後はどうなる・・・・
とても面白い。ワクワクドキドキさせてくれる。
夢中で読んでしまった。

hon161118-2

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ありがとうございました。