下りきったら滝があった。水しぶきが上がって寒い。適当に見たふりをしたり、トイレに
いったりしていると、ガイドが手招きをする。火をかこんで暖ったまっているのだ。
「これがバーベキューか?」いろいろ網で焼いて売ってくれる。
買わなくてもいいのだ。火の側は気持ちがゆるくなる。
そういえば昔、友人達とよくキャンプに行った。何か特別な催しをするとか、観光を兼ねて
とかいう目的は全くなくて、おいしいものを持ち寄って只ひたすら飲んで食ってばかりだった。
誰かが何かを作りながら、皆で食っては飲み、又、別の誰かが何かを作りながら又又食っては
飲むの繰り返しなのだ。料理の名人もいたし、妖しい料理をつくるやつもいた。
ビールもあれば、焼酎もあった。ウィスキーもあったし、妖しい酒もあった。
そんな夜更けに、散々酒を飲んでおいしいものを食った後に、焚き火を囲んで
わけのわからんことをいつまでも又飲みながら、何か食べながら喋っていたものだ。
あんなことがよくできたものだ。
そう言う時、きまって、「炎はいいなあ!」とひとり納得しきっている人がいて、
「炎はいいなあ!」と感動しながら、酔っ払って炎にのめりこみそうになったり、ゲロを
はいたりしていた。
酒にだけではなくて炎にも酔っていたのだ。
「友情に酔った?」、そんなええもんではなかったことは確かだ。
そんな事があって、やっぱり、「炎はええ」のだ。
焼き芋は見たらわかる。
「これは何?」、「竹にご飯を詰めたやつ」、「中国で食べたことある」
「これは何?」、「チェストナッツです」
何やろ?、見た目はすなずりみたいやけど、木の実なのだ。
焼き鶏も見たらわかる。「さっきのやつかな?」
「焼き芋食べよ、幾ら?」、「5000ドン」
1000で割って5倍したら25円だ。滅茶安いわけでもない。まあまあや。
「私は、この竹飯を」
こういう具合に集まるとつい食べたくなる。
ガイドは、焼き鶏を食べるらしい。
滝の音がごうごう聞こえるが、見に行った人も寒いから戻ってきた。
いつまでたっても休憩は終わらない。
「炎はええなあ」
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