角幡唯介、「極夜行」
角幡唯介の「空白の五マイル」を読んで以来すっかりファンになってしまってる。
世界最大のツアンポー峡谷に挑んだ冒険談だ。とても面白かった。極限の冒険に
立ち向かうけど無謀なことはしない。綿密な計画と準備がある。その上でもやはり
命をかけた冒険がある。読んでてどんどん惹き込まれる。
「漂流」は又別の話。自分の冒険というよりは他人の冒険談。沖縄、フィリピンなど
南洋海域を舞台に活躍する漁師が忽然と姿を消した。漂流記とその後の話。
その背景にあるものは? これもとても面白かった。
今回はその表題の通り、グリーンランドの極夜。何日も何ヶ月も夜が明けない
暗闇の暮らしのなかで局地を目指す旅の物語だ。
毎日、毎日が漆黒の闇の中というのはどんな暮らしなんやろ? 想像もつかへん。
光がなかったら何もできへんやんか。
拠点はグリーンランドのシオラパルク。ここから数十キロの荷物を犬ぞりに
載せて、氷河を越えて、ツンドラ超えて、山を超え氷雪を越え延々何百キロの
旅になるんやろ?
準備は万全やろか? 長旅の食料を一度に運ぶわけにはいかない。途中に何箇所か
デポが必要だ。事前の物資の調達も必要だ。犬の訓練も必要だ。事前の準備が大変だ。
資金も体力も。
周到な準備をしたつもりでも実際に動き出すと様々なことがおこる。悪天候で
動けないこともある。散々苦労してやっとデポにたどり着いたらシロクマに食い荒らされて
何も無い。あげくは地形と方角を定める六分儀がなくなった。今いるのはどこ?
進む道は正しいのか。
果たしてこのまま行き着けるのか?
食料はウサギやアザラシを獲ってしのげるのか? さいごは犬ぞりの相棒の犬を食う
ことになるのか?
何も見えない世界で見えるものは何か? 極限の中で去来するものは何か?
果たして生きて帰れるのか?
イヌイットの暮らしもよくわかる。
とても面白い、大冒険だ。
「ホトケの顔も三度まで」というブログもやってはるようだ。
下村敦史、「サハラの薔薇」
エジプトで遺跡を発掘中の学者、峰隆介は崖っぷちだ。そろそろ何か目立った発見を
せえへんと資金が途絶えて立場があやうくなる。
しかし、とうとう行き着いたかもしれん。王家の墓を発見できたようだ。果たして
お宝はあるのか新たな大発見はあるのか?
期待を込めて開いた石棺からでてきたものは?
そして、峰のホテルが荒らされた。何かが起きている。
発掘活動の支援を得るために峰はフランスに向かう。ところがその飛行機はなんと
サハラ砂漠に不時着してしまった。
居合わせた乗客は妖しいやつだらけとちゃうやろか?
何にしても生き延びんとあかん。歩いてオアシスを目指して救援を呼ぶしかないのか?
美貌のシャリファ、技術者の永井、機長のエリック、呪い師までいるやんか。
オアシスは北北西か? 北北東か? 呪術が正しいのか?
自然の中に核が? 天然の原子炉って?
荒唐無稽なようで面白い。
血湧き肉躍るサスペンスのようでドタバタのチャラい話でもありそう。
軽く楽しむにはとても良いと思う。
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ありがとうございました。