最近読んだ本、「サラマンダーは炎のなかに 上、下」、「ロートレックの食卓」

  • 2014年1月6日
  • 1人
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ジョン・ル・カレ、「サラマンダーは炎のなかに 上、下」
最近、ジョン・ル・カレの本が好きになってきている。かっこいいヒーローが活躍
すると言うよりは、時代と政治の荒波の中でいつしか事件に巻き込まれて、翻弄
され葛藤しながら生きていく姿が生き生きと立ち上がってきてとても面白い。
幼い頃暮らしたパキスタンの田舎がこの男の原風景だ。
子持ちの娼婦の家に転がり込んだ文無し男は遺跡のしがない英語ガイドをやって
暮らしを立てていた。しかし、ある日、とうとう昔の親友からの合図が。
マンディはスパイの暮らしに帰らなければならない。
マンディは何故スパイになったのか。
大戦の傷跡を深く背負って英国に帰った父との確執を抱えた学生が段々学生運動
に引き込まれて行く。ベルリンの壁の時代だ。世界中で学生運動が盛んだった頃だ。
闘争と弾圧。友を助けての闘争。いつの間にかスパイの世界に。
ベルリンの壁を抜ける大脱走劇。
やがてベルリンの壁が崩壊し、東西対決から宗教対決の時代へ。
テロの時代へ。
上下2巻、一気に読める。
非常に面白い。

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林 綾野 (著)、千足 伸行 (著) 、「ロートレックの食卓」
ロートレックの絵は大好きだ。
娼婦や踊り子、煌びやかな世界の裏側にうごめく人たち、女たちをするどく大胆
に切りとって印象的な絵の世界を創っている。
憂いと哀しみとユーモアがあるような気がする。
あんな絵が描けたらいいなあって思う。
ロートレックはお城を持つ貴族の1人息子だ。さぞかし恵まれた人生と思いきや
非常に屈折した人生を送った人だ。
子供の頃に、骨の病気で足を悪くし、成長が止まった。異常に背の低い大人に
なってしまったのだ。それで父親に疎まれ、他人からも差別された。
絵を描いても、今でこそ天才と思えるけど、当時は全く認められなかった。
そして酒と美食と享楽の巷に埋もれるようになって若くして死んでしまった。
そういうロートレックの生涯を紹介しながら彼の美食家としての一面もとりあげ
た本だ。
なかなか面白いが、その中で一つ気に入ったものがあった。
こんなレシピだ。

小麦粉125g、おろしチーズ75g、塩、カイエンペッパー、イースト菌を小さじ1/2
混ぜ合わせる。捏ね上がったらバター75g、卵黄1個分を加えて混ぜ合わせる。
出来上がったペーストを細長く切ってベーキングシートに載せ、卵黄で
照りをつけて400℃に熱したオーブンに約10分間入れる。
試しに家で作ってもらった。カイエンペッパーは使わずに粒胡椒を潰して使ったが
これが実においしい。カロリーが高そうで非常に危険な食べ物の気がするが、
実にうまい。酒のあてに抜群だ。食いだしたら止まらへん。

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